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国内データセンター建設投資予測、2023年以降は毎年4000億円を超える投資規模が継続~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は5月31日、国内データセンター事業者のデータセンター投資予測を発表した。データセンター建物/電気設備/冷却システムなどの、新設および増設にかかる投資額を調査したもので、事業者データセンターの新設および増設投資は2021年から2022年、さらに2023年へ大きく増加する見込みだとしている。

 国内事業者データセンターの新設および増設投資は、2022年は前年比21.2%増で投資規模は2236億円で、2023年は2022年の約1.8倍という大幅な拡大となり、4000億円を超えると見込んでいる。さらに、2023年から2026年までも、毎年4000億円を超える投資規模が継続すると予測している。

 これは、クラウドサービス向けハイパースケールデータセンターの増設需要が、関東地方および近畿地方で引き続き強い傾向にあり、これに応じてデータセンターファシリティ(建物、設備)市場に新規参入する企業が増えているためとしている。

 一方、こうした建設ラッシュとも言える状況が続いていることを受けて、建物および設備の設計スタッフのうち、データセンター設計の経験豊かなスタッフが不足気味になっていると分析。これに加えて、建設業界全般にわたる人手不足や、世界的なインフレや原材料の価格高騰や納期遅れによって、データセンター建設コストも上昇していると指摘している。

 IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「クラウドサービス市場の高成長率を考慮すると、データセンター投資意欲が縮小するとは考えられないが、建設プロジェクトの遅れやコスト増加は避けられないであろう」と分析している。

事業者データセンター新設/増設投資予測:2021年~2026年(出典:IDC Japan)