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富士フイルムビジネスイノベーションジャパン、中堅・中小企業向けソリューションを提供開始
第1弾では建設向けの遠隔臨場支援、製造業向けのサイバー攻撃対策など20種をラインアップ
2022年5月25日 06:15
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社は24日、中堅・中小企業をターゲットとしたソリューション「Bridge DX Library」を提供開始すると発表した。
同社は、旧富士ゼロックス国内営業部門と国内の全販売会社31社、ならびに富士ゼロックスインターフィールドを統合し、2021年4月に誕生した。旧体制時代は、大企業、大手企業をメインの顧客としてきたが、「中堅・中小企業では、まだDXが実践できていないという企業も多い。DXというとデジタル化ととらえられるが、本当の目的はDXを通じ目指す姿を実現すること。これまで蓄積してきたノウハウを通じ、その実現のお手伝いをしていく」(取締役社長 阪本雅司氏)と、あえて中堅・中小企業をターゲットとしていく。
新たに提供されるBridge DX Libraryでは、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン自身が、顧客と対峙(たいじ)する中で獲得した業種別ノウハウ、富士フイルムグループとしての提供価値、全国を幅広くカバーする営業・保守体制を強みとして、業種・業務ソリューションをラインアップした。
第1弾では20のソフトウェアがラインアップされる。建設業向けには、ウェアラブルカメラを活用することで、遠隔臨場で移動の負担を軽減するソリューションや、サプライチェーンを襲うサイバー攻撃対策などを提供。また医療機関向けには、病院向けのセキュリティ対策強化としてランサムウェアの脅威対策を、福祉サービス向けには、ICTを活用することで業務効率化を実現した科学的介護情報システムなどをラインアップした。さらに業務課題解決ソリューションとして、IT導入補助金を活用したインボイス制度対応ソリューションなども提供する。
このような、各業務に最適なソリューションの拡充を進め、2022年7月時点で100ソリューションまで拡充する計画となっている。
中小企業向けビジネスを展開するベースとなっているのが、2020年11月から提供している「IT Expert Service(アイティ・エキスパート・サービス)」。傘下のITサービスプロバイダーである豪CodeBlue Australiaがオセアニア地区で提供している中小企業向けITアウトソーシングサービスを活用し、ITの専門家がいない、もしくは、いても少数という中堅・中小企業をサポートしていく。
阪本社長は、今回、Bridge DX Libraryが商品として加わったことで、「中堅・中小企業向けに提供すべき商品群が加わったことになる」とアピールする。
お客さまのビジネス変革をともに実践するためのイノベーションカンパニーへ
なお富士フイルムビジネスイノベーションジャパンは、富士フイルムや富士フイルムビジネスイノベーションの本社がある六本木ミッドタウンではなく、豊洲駅に隣接するビルに本社を置いた。これは、オフィスを人が集まる場所から、情報や知恵の集まる場所への転換を目指すために、豊洲をセンターオフィスと位置づけ、リアルとバーチャルを融合した環境を構築するためだ。
「ショールームスペースだけでなく、社員が働くスペースも見学してもらう場所とした。オフィスの中央に大画面を設置し、主要拠点間を常時接続したバーチャルな大部屋として活用していく」(阪本氏)とのことで、部署や地域を越えたコミュニケーションによって、新たなアイデア、ノウハウなどを共有することを目指す。
例えば、コミュニケーション変革として話題になっているものの、実用はまだ少ない5Gネットワークを活用した情報共有やチームワーキングを実施し、自分たち主導で5Gの有用性を実感していくという。また、非接触型タッチパネルなど、開発部門とのコラボレーションによって、新技術や新しいデザインを実践していくとした。
DXについても、「DXは紙をデジタル化するだけにとどまる話ではない」との観点から、どのようにDXを推進していくべきか、全社員からDXに取り組む人材を公募。選ばれた50人のメンバーが主導し、DXステートメントを策定した。
阪本社長は、顧客のDX実現を支援するために、「DX実践が一部メンバーだけにとどまるものとしないために、社員ひとりひとりが『私のDX宣言』を手書きし、名刺入れの中に入れて持ち歩いて、DXをどのように進めていくのか考えて取り組んでいる。DXなのに手書きなのか?という声もあるかもしれないが、社員1人から真剣にお客さまのDXに取り組む。お客さまのビジネス変革をともに実践するためのイノベーションカンパニーとして取り組んでいく」と真摯(しんし)に取り組んでいくことを強調した。
5月24日からは全国7拠点でセミナーを開催し、Bridge DX Libraryを紹介するとともに、顧客からのさまざまな声を聞き、今後必要なソリューションを見つけるきっかけとすることを狙うとのことだ。