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NEC、スギ薬局のマーチャンダイジング業務を行う基幹システムを基幹システムをAWS上に構築

 日本電気株式会社(以下、NEC)は20日、株式会社スギ薬局のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するため、全国にあるスギ薬局約1500店舗のマスタ管理、仕入れ、発注といったマーチャンダイジング業務を行う基幹システムを、Amazon Web Services(AWS)上に構築し、本格稼働を開始したと発表した。

 スギ薬局では、顧客に合わせた最適な接点を持つための「スギ薬局アプリ」や、健康増進を支援する「スギサポ」、化粧品電子カルテ「Carat」を導入・展開するなどDX戦略を推し進めながら、年間100店を上回るペースで店舗数を拡大させている。今後も店舗数やビジネス規模の拡大を目指す中で、DX戦略の重要な土台となる基幹システムに対し、柔軟な拡張性が求められていたという。

 NECでは、AWSを活用して、ビジネス成長に合わせた柔軟な拡張性や、社外パートナーとの連携が容易な接続性などを有する、スギ薬局の基幹システムをクラウド環境に構築した。NECは、2020年11月に米AWSと日本では初となるコーポレートレベルの戦略的協業契約を締結するなど、AWSと連携を強化しており、スギ薬局の約1500店舗を支える大規模システムのスムーズな移行を実現している。

 システムは、既存の基幹システムに比べて、約40%以上の高速化を実現し、大量のデータの迅速な処理が可能になり、現場の意思決定の促進とビジネス規模拡大に寄与していると説明。また、基幹システムのモダナイゼーションに合わせて、HTML5によるアプリケーション開発を行い、店舗従業員などユーザーの使用感を高めた。

 さらに、本部や店舗にある約2200台の業務用PC端末に加え、スマートフォンやタブレット端末といった約5000台のスマートデバイスからもマーチャンダイジング業務が可能になった。これにより、在庫管理や発注、売り上げ分析といった作業を、場所の制約を受けずにリアルタイムで確認・対処でき、店舗運営の効率化を図りながら、従業員はより高い専門性が必要な美容やヘルスケア領域の業務に注力できるとしている。

 NECでは、基幹システムのモダナイゼーションなど通じて、今後も快適で心地よい顧客体験を生み出し続ける店舗運営の実現「Smart Retail CX」に取り組むと説明。これにより、人やモノ、プロセスの情報・状態をバリューチェーン全体で共有し、新たな価値を生み出す「NEC Value Chain Innovation」を、顧客とともに実現していくとしている。

店頭でのスマートデバイスを活用している様子