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日本ユニシス、公共交通機関の利用者増加や地域の活性化をサポートするMaaS基盤ソリューション「L-PASS」

 日本ユニシス株式会社は3日、地域を代表する交通事業者や地方自治体向けに、生活者MaaSの基盤となるアプリケーションサービス「L-PASS(エルパス)」を提供開始すると発表した。コロナ禍で落ち込んだ生活者の移動需要回復を目指し、地域全体で生活者の“おでかけ”と消費を促進するという。

 L-PASSは、“おでかけ”と“消費行動”を促進するUX(ユーザーエクスペリエンス)により、生活者の「移動総量」を増やし、まちなか振興と公共交通利用の行動変容を促すソリューションで、SaaS型プラットフォームとスマートフォンアプリなどから構成されている。

 特徴は、目的地が決まっていることを前提としたルート検索や、マップ画面から開始するこれまでのMaaSアプリとは異なり、“おでかけ”の目的を選ぶところを起点に、公共交通から提案される経路検索までをシームレスに提供できる点で、生活者の外出意欲を刺激し、新たなエクスペリエンス獲得を促せるという。

 また、日本ユニシスの電子チケット流通サービス「Kimaticke(キマチケ)」と連携しており、生活者はアプリから公共交通の乗車券やイベントチケットを購入できるほか、地域の店舗で使えるクーポンも獲得可能。さらに、各種コンテンツを登録する機能をそれぞれの店舗や施設にも開放することにより、アプリを通して“まち”全体のデジタル化を進められるとした。

 加えて事業者や自治体は、閲覧履歴やクーポン利用実績など、アプリの利用ログとGPSデータを収集でき、これらのデータを、公共交通の運行計画の見直しや商業施設のセールスプラン、将来のまちづくりなどに活用していけるとのこと。なお、ホワイトラベルでの提供となるため、各地域でのカスタマイズが可能で、地域の要望を受けた機能追加や外部サービスとの接続にも対応する。

 L-PASSはすでに、経済産業省の「地域や業種をまたがるモビリティデータ利活用推進事業」に採択されており、新潟と金沢における実証実験で活用されている。日本ユニシスでは今後、2024年度までに20地域においてL-PASSの展開を目指す考えだ。