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日本ユニシス、保育園と保護者をつなぐコミュニケーションサービス「mierun」を発表 2022年春のサービス提供を目指す

 日本ユニシス株式会社は29日、保育園と保護者とのコミュニケーションを支援するサービス「mierun(ミエルン)」を発表した。現在、技術検証を実施しており、2022年春のサービス提供開始を目指している。

 現在の保育園では、待機児童・保育士不足といった従来の保育の量的課題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行下で保育士・保護者間のコミュニケーションが制限されるなど、新たな問題も生じているという。また、中長期的な少子化に対する経営課題が顕在化しており、各事業者が差別化に向け魅力を見える化する仕組みも求められているとのこと。

 今回検証を開始する「mierun」は、“見える化”に着目した保育園向けのサービスで、こうした課題に応えるために開発されているという。サービスでは、保育園および家庭における子どもの様子・発達の状況を“見える化”するとともに、園職員の勤務状況や、開発者側の計画を“見える化”することで、子どもと子どもにかかわる人々の状況をとらえ、子どもひとり一人の発達にあわせた子育て・保育と、園職員の働き方改革を支援するとした。

 機能としては、子どもの発達に関するコミュニケーションツールと、データ収集ツールを兼ね備えており、効率的で確実な緊急連絡を行えるようにするとともに、毎日の連絡帳記入を楽しく効率的にできるような工夫をすることで、保育士と保護者が協力して保育・子育てを実現する。

 具体的には、スマートフォンアプリを提供し、保護者が園からの情報を一元管理するようにするほか、園での子どもの様子や健康情報、過ごし方など、保育の様子を見られるようにする。一方で保育園側には、健康情報、家庭での子どもの過ごし方などの情報が把握できるようにするほか、家庭からの欠席連絡・相談に関しては、組織として把握し、問題へ対処できるようにするとのこと。

 仮説検証を行った園では、連絡帳記入において、ベータ版での実証と紙での記入を比較した際、記入にかかる時間を、園児1人・1日あたり2分30秒短縮できたとのことだ。

 また、要望を素早く取り入れ、改善し続けるという新たなプロジェクト体制で取り組む点も特徴。毎週ユーザーの要望を確認し、利用状況の確認によって開発の優先度を見直す態勢を整えており、例えばベータ版での実証において、「連絡帳内に、保育園側のみ見られるメモ欄がほしい」といった要望を、2週間で実現したとしている。

 さらに日本ユニシスでは、2015年から、保育業務・情報を支援する保育業務支援クラウドサービス「ChiReaff Space(チャイリーフ スペース)」を提供しており、これまでに得た知見・保育ノウハウを生かして、サービスの品質を向上させる考えだ。