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ソフトバンクとキンドリルジャパン、DX推進を目的にクラウドや5Gなどの分野で戦略的協業

 ソフトバンク株式会社とキンドリルジャパン株式会社は21日、日本の企業・団体におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて、クラウドや5G、IoTなどの分野で戦略的協業を開始したと発表した。

 両社は、ソフトバンクが「マルチクラウド戦略」の下で提供する各種パブリッククラウドやセキュリティーサービス、通信ネットワーク、MSP(Managed Service Provider)サービスなどのソリューションと、キンドリルが持つシステム運用に関するコンサルティングや構築・運用の高度な技術力、システムを実現する実績やスキルを生かして連携することで、製造業や金融業をはじめ、クラウドへの移行やITインフラの刷新を検討している企業・団体のDXをワンストップで支援するとしている。

 また、5GやIoT、AI(人工知能)などの最先端テクノロジーを活用した、製造業における運用業務の可視化ソリューションなど、デジタル化のニーズが高い業界に向けた特化型のソリューションの開発についても共同で取り組んでいく。

 ソフトバンクでは、「マルチクラウド戦略」の下、各種パブリッククラウドやセキュリティーサービス、通信ネットワークなどを提供しているほか、主要なパブリッククラウドの導入におけるコンサルティングから導入支援、運用までをトータルでサポートするMSPサービスを提供することで、顧客のデジタル化を支援している。また、IoTを活用してデータを収集・可視化するソリューションや、AIを活用した映像解析ソリューションを提供しているほか、今後は法人向けの5Gマネージドサービス「プライベート5G」の提供も予定しており、各種業種のDXのニーズに対応していくとしている。

 キンドリルは、IBMのマネージド・インフラストラクチャー・サービス事業の分社化により、2021年9月から業務を開始している。ITインフラの設計、構築、管理、モダナイズしてきた知見やスキルを持ち、オンプレミス、マルチクラウドを含むハイブリッドクラウド領域における標準化、自動化の技術力を持つ。また、システム運用を高度化させることで、さらなる「安心・安全・安定」を実現する高品質のシステムを顧客に提供していくとしている。

 ソフトバンクとキンドリルは、両社の強みや技術力を生かし、クラウドや5G、IoTなどの分野で協業することで、日本の企業・団体のデジタル化とDXの推進をサポートしていくと説明。また、今後は「ソフトバンク5Gコンソーシアム」の参画企業・団体とも連携し、製造業を中心としたDXの推進に向けた取り組みも行う予定としている。

 協業による提案例としては、金融業に対してはテレワークによる社員の働き方改革を実現するため、キンドリルによるITコンサルティングやITインフラの設計・構築・運用の下、ソフトバンクによる「Microsoft 365」の導入サポートやセキュリティーサービスを組み合わせた提案を挙げている。

 また、非鉄金属業に対しては、老朽化したシステム基盤をハイブリッドクラウド環境へ移行することを目指し、ソフトバンクのMSPサービスと、キンドリルによるITコンサルティングシステム設計を組み合わせて提案。製造業に対しては、工場内の生産設備や制御システム、ロボットなどを連動させてデータの可視化や生産性の向上を図る「スマート工場」の実現に向けて、ソフトバンクの「プライベート5G」を活用して工場内に専用のネットワークを構築するとともに、キンドリルが工場内のITシステム全体の設計・構築を提案するとしている。