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市況商品の価格変動をAIで予測――、三井化学とNECがdotDataを用いた実証実験

 三井化学株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)は24日、AIを活用して、市況に左右されやすい三井化学の特定製品の価格変動を予測する実証実験を実施したと発表した。なお今回の実証実験は、米dotDataのデータサイエンスプロセス全体を自動化するAIソフトウェア「dotData」を活用して実施されている。

 三井化学ではこれまで、業務担当者の知見や経験に基づき、過去の価格・採算推移や為替などの週単位に集計されたデータを用いて、製品の需要動向を予想してきたという。しかし近年では、グローバル化の進展とともに市場ニーズが急激に変化しており、需要動向予想が難しくなっているため、原料の調達価格と調達数量、生産量を最適にコントロールする必要性があったとのこと。

 そこで今回は、予測が難しいとされる、市況に左右されやすい三井化学の具体的な“ある製品”を選定し、当該製品の過去数年にわたる日次・週次の在庫データや工場稼働率、販売数量などのデータを基に、NECの提供する「dotData」で分析。無数の特徴量候補から有効なものを自動抽出することで、高精度な価格の予測モデルを構築した。

 この検証では、今後継続的に改善すべき点もあるものの、「dotData」を活用することで、翌月の当該製品の高精度な需要予測が可能になったとのこと。これにより、市場動向を踏まえた適正な販売価格の設定を実現し、より良い自社の販売計画立案と、その計画に基づいた調達・生産を行うことで、在庫金額の数億円規模の削減も見込めるとした。

 また、「○○の動きと××の価格に相関がある」など、人間では気づきにくい新たな業務知見も得られたとしている。

 三井化学では今回の実証実験を踏まえ、適正な調達・生産・販売による利益の向上と価格変動による損失回避に貢献する、AIを活用した需要予測システムの本格導入を目指すとしている。