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HPE、フルクラウド運用を実現するデータサービス基盤を発表
データ駆動型DXを促進する新ストレージ「HPE Alletra」など提供開始
2021年5月28日 11:04
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、HPE)は27日、HPEストレージの新ビジョン「Unified DataOps」を具現化するためのデータ駆動型サービスプラットフォームとして、新ストレージブランド「HPE Alletra(アレットラ)」、および「Data Services Cloud Console」、「Cloud Data Services」を発表した。
同日には、新たなデータサービスプラットフォームを展開する背景や新ブランド「HPE Alletra」の製品概要について、オンライン説明会が行われた。
HPEでは、クラウド的な運用モデルをデータが存在するあらゆる場所に適用し、データ中心の運用一元化を実現することで新たなデータエクスペリエンスを提供する新ビジョン「Unified DataOps」を掲げ、ストレージ事業をクラウドネイティブでソフトウェア定義のデータサービス事業へと転換している。
今回発表するデータサービスプラットフォームは、この新ビジョンの下、edge-to-cloud platform as-a-serviceカンパニーに向けた重要なマイルストーンであり、エッジからクラウドまでのデータ運用の簡素化を実現する3つの新製品をリリースする。
執行役員 コアプラットフォーム事業統括の本田昌和氏は、「HPEでは、グローバルで、ストレージとデータプラットフォーム領域におけるゲームチェンジャーになることを宣言し、データ管理の常識を再定義することにチャレンジしている。ストレージの領域は、20年間変化していないのが実情であり、サイロ化されたシステム構成や多くの手動オペレーション、リソースの浪費、ビジネスリスクの増大など、デジタルトランスフォーメーション(DX)を妨げる要因ともなっている。そこで『Unified DataOps』ビジョンでは、こうした課題を解消するべく、エッジからクラウドまですべてのデータプラットフォームをas-a-serviceで提供することを目指している。今回の新製品は、このビジョンを具現化し、データ駆動型のトランスフォーメーションを加速させる全く新しいコンセプトの戦略的データプラットフォームとなっている」と述べた。
今回発表した新製品のラインアップは、HPEストレージの新ブランドとなるオールフラッシュアレイ「HPE Alletra」、フルクラウドネイティブのデータ運用を実現するクラウドコンソール「Data Services Cloud Console」、同コンソール上で提供するソフトウェアサブスクリプションサービススイート「Cloud Data Services」の3製品。5月27日から提供を開始した。
コアプラットフォーム事業統括 ストレージ製品本部 本部長の尹成大氏は、HPEストレージの製品戦略について、「IDCが発表した2020年度第4四半期国内オールフラッシュアレイ市場で、当社は売上高シェアNo.1を獲得した。前年対比で見ると、当社のシェアは倍増しており、国内オールフラッシュアレイ市場をけん引してきたと自負している。そして今回、プライマリストレージの新たなポートフォリオとして、フルクラウドネイティブストレージの『HPE Alletra 9000』と『HPE Alletra 6000』の2機種を投入する。『HPE Alletra 9000』はHPE Primera、『HPE Alletra 6000』はHPE Nimbleのアーキテクチャを継承しつつ、それぞれNVMeを全面採用した最先端のオールフラッシュアレイとなっている」と説明した。
各機種の特長としては、「HPE Alletra 9000」は、Primera OSによりミッションクリティカルなワークロード向けに最適化されたハイエンドアレイ。ベースシャーシに、48本の2.5インチNVMe SSDを搭載可能で、業界最高クラスのパフォーマンス密度を実現している。
一方、「HPE Alletra 6000」は、Nimble OSを搭載し、汎用ワークロードおよびHCI向けに高い価格性能比を提供するミッドレンジアレイ。ベースシャーシには、24本の3.5インチNVMe SSDを搭載可能となっている。最小構成価格(税別)は、「HPE Alletra 9000」が2420万円から、「HPE Alletra 6000」が2420万円から。
この「HPE Alletra」をプラットフォームとして、フルクラウドネイティブのデータ運用を実現するのが、同時にリリースする「Data Services Cloud Console」、「Cloud Data Services」となる。
プリセールスエンジニアリング統括本部 ストレージ技術部 部長の中井大士氏は、「『Data Services Cloud Console』は、クラウド運用と統合データ運用を可能にするためのクラウドコンソール。パブリッククラウド上に配備されたコントロールプレーンにより、Webブラウザを通してどこからでもコンソールにアクセスすることができる。また、『Cloud Data Services』では、同コンソール向けに、各種クラウドデータサービスとクラウドインフラストラクチャサービスを一元的に提供する。クラウドデータサービスでは、データの移行・保護・分析などデータ管理を自動化するサービスを、クラウドインフラストラクチャサービスでは、データインフラの展開・管理・最適化などのインフラサービスを順次提供していく。さらに、AI主導のインテントベースのプロビジョニングにより、ワークロードに最適化されたインフラを数分で配備することができる」と、デモを交えて紹介した。
なお、「Data Services Cloud Console」のセキュリティデザインとしては、コンソールからオンプレミスのアレイ上のデータにはアクセスできないようにし、コントロールプレーンとして、アレイに命令を出すだけとしている。また、通信に利用するポートは内から外のみに限定。アレイからコンソールに対して、セキュアなトンネル通信が作られ、その中でコミュニケーションを実現する。さらに、管理者は、ユーザーごとに権限やアクセス範囲を規定することが可能で、多要素認証やロールベースのアクセス管理にも対応している。