ニュース

NEC、新周波数チャンネルとVLANに対応したプライベートLTE(sXGP)システムを販売開始

sXGP対応アクセスポイント
sXGP対応アクセスポイントコントローラー

 日本電気株式会社(以下、NEC)は28日、1.9GHz周波数帯を使用した自営通信用TD-LTE規格のsXGPに対応したプライベートLTEシステムについて、2020年12月から運用帯域の拡張により利用可能となった新周波数チャンネルに対応した、sXGP対応アクセスポイント(AP)およびAPコントローラーの販売を開始した。

 sXGPは免許不要でありながら、無線LANなどと比べて外来ノイズが少ない1.9GHz周波数帯を用いているため、通信の安定性が高いことが特徴となる。また、秘匿性の高いLTEのSIM認証や、外部にデータを出さないクローズドなネットワーク構成により、セキュアなローカル無線通信ネットワークを構築でき、病院や工場、倉庫などの自営ネットワークで、音声通話やデータ通信などに活用されてきた。

 一方で、同じ周波数帯を用いる自営PHSやDECT(デジタルコードレス電話)が、既に敷地・建物内や周囲で使われている場合、無線干渉により利用が困難な場合があった。

 今回、新たに利用可能となった周波数チャンネルに対応することにより、こうした無線干渉の問題を解決した。従来、既存の自営PHS/DECTがある場合は、その無線干渉の影響を考慮してエリア設計や構築を行う必要があったが、今回対応した新周波数チャンネルはsXGP専用となるため、設計工数が約2分の1になるなど、エリア設計や構築の効率と柔軟性が改善される。これまで出荷されたNEC製のsXGP対応APについては、ソフトウェアアップデートにより新周波数チャンネルへの対応が可能となる。

新周波数チャンネルへの対応

 システムはVLANに対応しており、通信可能なグループを複数に分けることが可能。音声やカメラ、センサーなどの用途ごとにVLANを分けることで、セキュリティおよびネットワーク設計の柔軟性を向上させられる。また、APN機能の拡充により、sXGP対応APごとに端末の接続を制御でき、テナントごとに接続できる端末を制御するなど、1つのAPコントローラーでの複数拠点へのサービス展開が可能となる。

 システム連携の範囲についても拡大。NECのsXGPシステムに対応したコミュニケーションサーバーとして、従来対応していたUNIVERGE SV9500CTに加えて、UNIVERGE SV9300CTにも対応する。また、sXGPで無線化した内線システムとナースコールシステムを連携させた、病院向けソリューションを提供する。

 NECでは、2025年度までに累計1000システム以上提供することを目指す。