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日立、工場やプラントのシステム状況可視化を支援する「制御システム現状把握ソリューション」

 株式会社日立製作所(以下、日立)は17日、工場やプラントにおけるセキュリティ対策に不可欠な現状把握の取り組みを強化し、「制御システム現状把握ソリューション」として提供開始すると発表した。

 日立では2019年6月より、工場におけるセキュリティ環境の構築において、現状把握に特化したサービス「工場向けサイバーBCPリスクアセスメント」を提供し、製造業のセキュリティ環境の構築を支援してきた。しかし一部の企業において、システムの現状把握に多くの工数を要するとともに、全体を正確に把握しづらいといった課題があったという。そこで、それらに対応するため、日立の大みか事業所の工場で培ってきた運用実績のノウハウを集結させ、新しくソリューションとして提供することにした。

 その「制御システム現状把握ソリューション」では、まず、セキュリティ対策プロセスの第一段階において重要な、“現状把握”に特化した可視化装置によるネットワーク内の情報収集を実施する。利用企業のネットワーク構成やソフトウェア構成の変更は不要で、接続ネットワーク内の機器数や、その論理的な接続状況を把握できるため、企業自身が認識していないリスクを洗い出せるとのこと。

 その後、エキスパートによる現場調査・ヒアリングを実施するが、以前からのセキュリティコンサルタントによるヒアリングに加え、目視による現場調査として、ネットワークに繋がる機器の外観や、物理的なケーブル配線状況なども確認。機器の一覧やフロアレイアウト、物理配線の現状を把握する。さらに、通信ポートの物理ロック状況や、アクセス制限、パスワード管理など、制御セキュリティの観点からの調査も実施することで、物理面からもリスクの洗い出しを徹底するとした。

 こうして収集した資産情報、および各資産のセキュリティ対策状況を統合・整理することで、企業における現状の改善点やリスクの識別評価を行え、より効果的なセキュリティ施策が提案可能になる。

 なお、利用企業が継続的に現状把握を実施できるよう、可視化装置を常に活用し、ネットワーク構成が変更された場合に速やかに通知する、ネットワーク内の常時監視の仕組みも提供する。あわせて、可視化装置によって収集するセキュリティ対策情報と、企業での資産管理情報を連携させて、資産管理とセキュリティ対策管理を一本化し、運用時の省力化も実現するとのこと。

 こうした一連の施策により、セキュリティの現状把握を迅速かつ効果的に行うとともに、継続的にネットワーク構成を守る仕組みづくりを更新することにより、企業の工場やプラントにおける最新・最適なセキュリティ対策を支援するという。

 日立は今後、製造業だけでなく、電力・鉄道といった社会インフラの幅広い分野を対象に、現状把握からリスク評価、セキュリティ設計・運用までを、トータルに支援していくとしている。