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NTTとSAPが戦略的提携を拡大、インテリジェントエンタープライズ実現に向けたソリューションを提供
2020年12月8日 11:22
日本電信電話株式会社(NTT)とSAP SEは7日、グローバルな戦略的提携関係を拡大すると発表した。今回の提携拡大により、両社の能力や専門性をさらに活用し、企業がインテリジェントエンタープライズに変革するためのソリューションを提供するとしている。
インテリジェントエンタープライズとは、SAPが提唱する概念で、従業員がより価値の高い成果に集中できるよう、AIや機械学習、IoT、分析といった最新テクノロジーを活用する企業のことだ。
今後両社は、インテリジェントエンタープライズの概念に沿って、デジタルでつながるグローバルなバリューチェーンを構築し、リモートワールドやコネクテッドワールドを支援するソリューションを提供する。そのようなソリューションを共同開発するにあたり、SAPのIoTやエッジコンピューティング、機械学習などの技術と、NTTのICT技術やハイブリッドクラウド分野における技術力を組み合わせる。
会見には、NTT 代表取締役社長の澤田純氏とSAP 最高経営責任者のクリスチャン・クライン(Christian Klein)氏が登壇し、これまで両社が30年以上にわたる協業で良好な関係を築いてきたことを強調、「パートナー関係を次の段階に進めるのは自然なことだった」(澤田氏)としている。
澤田氏は、「いま世界はこれまでにないような状況に直面している。このような状況の中、NTTはすべてがつながる完全にデジタル化された社会と、より良いスマートな世界の実現に向け貢献したいと考えている。このビジョンを実現するためSAPと連携し、将来に対応できるデジタルソリューションを共同で開発する。このパートナーシップは、コネクテッドバリューチェーンを生み出すために必要なことだ」と述べた。
一方のクライン氏は、「SAPとNTTは、デジタルトランスフォーメーション(DX)分野で企業をサポートしなければならないと感じている。信頼に基づく長年の戦略的提携をベースに、双方の技術やソリューション、ノウハウを組み合わせ、デジタルに連携したグローバルなバリューチェーンを実現する」と話す。
「デジタル化やグローバル化がもたらす課題に1社で対応できるところはなく、SAPのみでできることも限られている。NTTのような信頼できるパートナーと連携することで、世界最大の課題を機会へと変えることができる」(クライン氏)
具体的なソリューションの検討は来年より開始する。注目している分野についてクライン氏は、「サプライチェーンは注目分野のひとつ。すでに共通の顧客に向け、新たな機能を開発しようとしている。例えば、原材料から最終プロダクトに至るまでのトレーサビリティや、グローバルサプライチェーンのデジタル化などだ」としている。また澤田氏は、今後連携の可能性がある分野として、コネクテッドモビリティやコネクテッドプロダクト、エンドツーエンドのコネクテッドバリューチェーンなどを挙げている。