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SAPとNTTがグローバル協業を拡大、共同イノベーションの第一弾として安全運転管理を支援するIoTソリューションを開発

 独SAPと日本電信電話株式会社(NTT)は15日、両社の協業を強化したと発表した。SAPとNTTでは協業強化に伴い、「共同イノベーション」「共同ソリューション販売」「グローバルリファレンス」の3つの柱でグローバルビジネス強化を図るとしている。

 両社の技術を活用した共同イノベーションについては、第一弾の取り組みとして、公共交通機関や運輸業に対して、安心・安全かつ、先進的な運行管理を実現するためのソリューションを提供する。

 具体的には、SAPが持つ自動車の挙動収集分析アプリケーション「CTS(Connected Transportation Safety)」と、NTTが東レ株式会社と共同開発した、着用するだけで心拍数などの生体情報を取得できる機能素材「hitoe(ヒトエ)」を組み合わせた、安全運転管理を支援するソリューションを開発した。

 運転者が身に着けた「hitoe」から、心拍数などの生体情報をリアルタイムに取得し、NTTグループの分析基盤の上で疲労度などについての分析を行う。これらの運転手のデータと、ドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどの運転挙動のデータを、SAP HANA Cloud Platform上の「CTS」で総合的に分析し、事故を未然に防ぐための対応や、効率的な運行をサポートする。

 今後、京福バス株式会社の協力により、2016年10月から日本国内での実証実験を行い、2017年1月に提供を開始するとともに、米国やヨーロッパでもソリューションを展開していく予定。

 共同イノベーションに加えて、SAPとNTTグループでは両社のソリューションの営業強化を図る共同ソリューション販売にも取り組む。2015年10月には、NTTグループとSAPが「SAP HANA Enterprise Cloudプレミアムパートナーシップ」を締結し、SAP HANAを中核技術とするクラウド基盤をグローバルに提供することを推進しており、今後は地域ごとの両社での共同営業体制の構築をさらに強化していくとしている。

 また、世界的な標準モデルとなるグローバルリファレンスの作成を両社で推進していく。NTTではグローバルにおけるグループシナジーを生むための業務基盤、IT基盤の構築に取り組んでおり、その一環で最先端のSAPのソリューションを活用していく。