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日立システムズなど3社、山口県周南市でスマートデバイスを活用したデジタル行政窓口を目指した共同研究を開始

 株式会社松阪電子計算センター、株式会社日立ソリューションズ西日本、株式会社日立システムズの3社は4日、山口県周南市の協力のもと、スマートデバイスを活用し、自治体窓口での申請や届出のデジタル化(デジタル行政窓口)をめざす共同研究を2020年6月から開始したと発表した。

 周南市は、「安心」と「つながり」のまちづくり拠点として、2019年6月より新庁舎で行政サービスを開始し、市民サービス向上に向けて、スマートシティの推進などさまざまな施策に取り組んでいる。

 今回の共同研究では、住民が自治体の窓口で必要となる各種申請手続きを、事前にスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを活用し、「自治体アプリケーションポータル」を通じて実施することで、来庁時における窓口混雑の緩和や利便性などの効果を検証する。

自治体アプリケーションポータルのイメージ

 少子高齢化や生産年齢人口の減少、単独世帯の増加など、社会経済情勢が大きく変化し、多様化する住民ニーズへの柔軟な対応が求められている中、2019年5月に「デジタル手続法(正式名称:情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律)」が成立した。

 デジタル手続法では、行政手続きをパソコンやスマートデバイスなどを利用して、オンラインで完結させる「デジタルファースト」や、同一情報の提供を何度も求めない「ワンスオンリー」、複数の手続きを一度で終わらせる「コネクテッドワンストップ」を基本原則として定めており、行政サービスを受ける住民の利便性向上や、行政事務の効率化が期待されている。

 日立 自治体ソリューション「ADWORLD」を導入している周南市では、住民のスマートフォンやタブレットを活用し、住民が「必要な場所」から「必要な時」に「必要なサービス」へ容易にアクセスできる、デジタル行政窓口の実現に向けた研究を実施している。

 自治体アプリケーションポータルは、住民が使い慣れたスマートフォンやタブレットを利用して、時間や場所を問わずに容易に、自治体が提供する行政サービス情報に触れることが可能な、自治体の「届けたい」と、住民の「知りたい」「使いたい」をつなぐアプリケーションとなる。

 共同研究では、日立ソリューションズ西日本が周南市との窓口を、松阪電子計算センターと日立システムズが自治体アプリケーションポータルの開発を担当。自治体アプリケーションポータルの標準機能である「二次元バーコードを利用した窓口申請」や「住民一人ひとりに必要な情報をプッシュ型でおしらせする機能」の実証実験を行う。

 二次元バーコードを利用した窓口申請では、住民が事前にスマートフォンで申請に関する情報を入力し、来庁時に窓口で二次元バーコードを提示することで、住民票などの証明書を「書かず」に取得することを検証し、将来的には来庁することなく各種届出や証明書の取得、手数料などの支払いを可能とする「行かない窓口」を目指す。

 また、自治体アプリケーションポータルの標準機能に加え、周南市の課題を整理する中で、住民の利便性向上や職員の負担軽減につながる周南市向け個別アプリケーションについても開発し、実証実験を行う予定。

 松阪電子計算センターと日立ソリューションズ西日本、日立システムズの各社は、今回の実証実験だけでなく、周南市が目指す、住民が来庁することなく証明書の取得を可能とするデジタル行政窓口の実現をサポートしていく。