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日立グループ、総務省の「自治体DX推進計画」に対するソリューションを体系化

 株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社日立システムズ、株式会社日立社会情報サービスの3社は17日、自治体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向け、2020年12月に総務省から公開された「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に対する日立グループのソリューションを、新たに体系化したと発表した。

 総務省では、「デジタル・ガバメント実行計画」における自治体関連の各施策について、自治体が重点的に取り組むべき事項・内容を具体化するとともに、総務省および関係省庁による支援策などを取りまとめ、「自治体DX推進計画」として策定した。また、2021年5月にデジタル庁の設置や自治体情報システムの標準化などを盛り込んだ「デジタル改革関連法」が成立し、自治体の行政運営の効率化、住民の利便性向上をより加速させていくことが期待されている。

 こうした状況を受け、日立グループでは、自治体が抱えるDX推進の課題と現状を把握するため、自治体向けにアンケート調査を実施し、自治体DX推進計画に対する6つの重点取り組み事業を策定した。また、日立グループは、日立自治体ソリューション「ADWORLD(アドワールド)」を中心にパートナー各社とも連携して、自治体約770団体にソリューションの提供実績を有しており、これらのノウハウや総合力を結集し、自治体DX推進計画に対するソリューションを新たに体系化した。

日立グループの考える自治体DX推進で目指すデジタル社会

 日立グループは、自治体DXの取り組みテーマとして、「住民手続きのデジタル化」や「職員環境のデジタル化」「地域間連携などのデジタル化」「自治体DXの推進基盤整備」を推進し、「自治体DX推進計画」の着実な実行を支援するほか、住民の利便性を向上する行政サービスの提供に向け、パートナー各社とも連携しながら自治体の抱える課題解決に貢献していくとしている。

 日立グループの6つの重点取り組み事業のうち、「『ADWORLD』の標準化・行政手続のオンライン化対応」については、ADWORLDの標準化対応として、総務省が2020年9月に公開した「住民記録システム標準仕様書」をはじめ、今後策定、公開される標準仕様に準拠した製品を2022年より順次提供開始する。また、行政手続きのオンライン化のソリューションとして、新たに、スマートフォンなどのデバイスを活用した住民票の発行申請などを実現する。

 「デジタル技術などを活用した自治体事務効率化への対応」では、AIや二次元バーコードを活用することにより、転入・転出・転居の申請手続きをデジタル化し、効率的で円滑な自治体窓口業務を実現する新たなソリューションを順次提供する。また、データ統合分析基盤などの活用により、人口移動の統計情報から保育所の設置を検討するなど、住民、地域のデータを分析し、データ活用・EBPM(エビデンスに基づく政策立案)による行政の効率化・高度化に貢献していく。

 「BPOによるDX推進人材の補完・デジタル人材の育成支援」では、自治体職員のITスキル習得に向けた教育メニューや、DX推進に向けたマインド醸成用プログラムのコンテンツを順次拡充して提供し、デジタル人材の育成、確保を支援する。また、人的資源のシフトによる行政サービスのさらなる向上のために、民間企業向けに実績のあるBPOサービスを提供する。

 「庁内業務のBPR」では、日立グループが培ってきた自治体業務ノウハウを生かし、申請手続きを簡素化する、新たなソリューションを提供していくことで、テレワーク、ペーパーレス、ハンコレスなどに向けたBPR(標準化・ワンストップ化など)を実現する。

 「官民連携・他社協業によるスマートシティ推進」では、地域社会のデジタル化に対して、官民連携、他社との協業、異なる分野間・地域間における多様なデータ・サービスの連携を促進するため、それらを支えるデータ連携基盤を整備し、「地域間連携などのデジタル化」を推進する。

 「自治体DXの推進基盤整備」では、自治体DXを推進するために必要な基盤として「ガバメントクラウド(Gov-Cloud)」を利用した標準システムへの移行を支援する。また、これまでの大規模な法改正の対応で培ったノウハウから、想定される移行パターンや手順の整理など、繁忙期にあってもスムーズな移行を実現できる推進体制を整え、対応していくとしている。

自治体DX推進計画に対する日立グループの重点取り組み事業