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ニューノーマルまでの各段階で企業を支援できる――、Google Cloudが自社の取り組みやサービスを紹介
オンライン記者説明会レポート
2020年6月11日 06:00
グーグル・クラウド・ジャパンのイベント「Google Cloud Day:Digital」に合わせて、6月9日に記者説明会がオンラインで開催された。
Google Cloud日本代表の平手智行氏が、UnderコロナからAfterコロナまで「ニューノーマル(新常態)」に向かう時代の企業の対応と、そこに向けたGoogle Cloudのサービスを語った。また、Google Cloud 執行役員 パートナー事業本部長の高橋正登氏が、Google Cloudの日本でのパートナー戦略について語っている。
ニューノーマルへの3段階それぞれに向けたGoogle Cloudサービス
平手氏は、ニューノーマルへの過程を3段階に分けて語った。
第1段階は、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した「緊急対応フェーズ」(Underコロナ)だ。この段階での企業への影響として、医療物資の不足や、中国の部品が入ってこなくなることによる生産計画の変更、サービス業の縮小、流通業の需要と人手などの問題、ゲーム業界で一定のゲームにユーザーが集まったこと、金融業においてコールセンターの継続やリモートワークのセキュリティの心配などを、平手氏は挙げた。
この段階に対するGoogle Cloudの取り組みとして、まず3月にG Suiteの教育分野などの無償提供や、自治体の支援、既存のG SuiteユーザーへのMeetの無料開放などがあった。また4月には、ビデオ会議の需要増によりGoogle Meetの利用量が1日30億分に達し、Google MeetをG Suite以外にも提供、企業にもGoogle MeetとGoogle Driveの上位機能を提供した。
第2段階は「収束フェーズ」(Withコロナ)。業務を再開した後の新しい形態として、新しい生活様式や新しい働き方が模索されている。例えば、物理オフィスを縮小したり撤廃したりという議論もなされている。
この段階に対するGoogle Cloudの取り組みとして、Google Meetに加えて、ゼロトラストセキュリティモデルで企業内サーバーにアクセスする「Beyond Corpリモートアクセス」を平手氏は紹介。さらに、教育の支援が加速したことや、流通・製造でCloud Runを活用してすばやく特設サイトなどを立ち上げる動き、物流計画でのCloud AI利用、BigQueryによる在庫最適化、API管理のApigeeによる宅配サービス業者と店の連携、物理的にイベントが開催できない事業者へのGoogle Meetでの支援、といった事例も紹介した。
第3段階は「Newノーマル」(Afterコロナ)への適応と変革の時期だ。ここではデジタルツインなど長期的な視点で動きがあるという。この段階に対するGoogle Cloudの取り組みは、大枠ではインフラのモダナイゼーションやデータの活用が相当する。サプライチェーン全体をシームレスにつなぐプラットフォームや、マルチクラウド、Google Cloud VMware Engine、運用の非機能要件の大きいメインフレームのマイクロサービス化、モノリシックな既存システムを疎結合のコンテナ化、Translation AIなどによる自然会話の自動化、コールセンターAIなどを平手氏は挙げた。
平手氏はこの3段階に加えて、「デジタル時代のスキル習得が課題、という皆さまの声がある」として、オンライントレーニングを多数用意していると紹介。そして、当日(6月9日)からオンライントレーニングの無料や割引のキャンペーンを開始したことや、認定資格もオンラインで受験できることを説明した。
パートナー重視を強調
高橋正登氏は、パートナー戦略について語った。
「Google Cloudがグローバルで言っているのは、パートナーがGoogle Cloudの生命線だということだ」と高橋氏。パートナー経由で、新規再販が前年比190%増、新規顧客企業数が2019年上半期で前年同月比13倍、新規案件額が前年比85%増、Google Cloud認定資格取得パートナー数が前年比300%増という数字を挙げた。
そして高橋氏は、日本でのGoogle Cloudパートナーに、アビームコンサルティング株式会社、株式会社日立製作所、SCSK株式会社の3社が新しく参加したという新発表について語った。
もう一つ、7月からDX人材育成のためのトレーニングを開始することもアナウンスした。技術に精通しながらDX(デジタルトランスフォーメーション)をリードできる人材を育成するものだという。
「ニューノーマルにもDXは必須の要素。これを通してパートナーの成功を支援したい」と高橋氏は説明した。
最後にパートナー部門が注力する領域として、「Google Cloudからの情報提供」「パートナーコミュニティの強化と活性化」「傾聴力のあるGoogle Cloudパートナーチーム」「トレーニング」の4つを、高橋氏は挙げた。