ニュース

富士通、AIチャットボットとRPAにより申請手続きを自動化する金融分野向けサービス「Finplex ScrumOne」

チャットボット上の会話から手続きに必要な事項を自動入力

 富士通株式会社は24日、AIチャットボットとRPA技術の組み合わせにより、住所変更や保険金請求申請などの各種申し込み手続きを自動化する金融分野向けの新サービス「FUJITSU Finplex チャットボット業務自動化サービス ScrumOne(以下、Finplex ScrumOne)」の提供を開始した。

 Finplex ScrumOneは、富士通のAIチャットボット「Customer Engagement Solution CHORDSHIP powered by Zinrai(以下、CHORDSHIP)」とRPAからなり、CHORDSHIP上の会話から、RPAが各種申請手続きに必要な項目を抽出し、既存のウェブ申請フォーマットにデータを自動入力する。

 利用者は、チャットボットのアバターから聞かれたことに一つずつ回答を入力していくだけでスムーズに手続きが完了できる。

チャット画面からの手続きイメージ

 CHORDSHIPは、適切な会話を導くトークスクリプト機能と、あらかじめ金融機関が用意したFAQデータを機械学習した辞書とのハイブリッド型AIのため、少ないFAQデータでも会話の意図を的確にとらえた正確な回答を導ける。サービスでは、問い合わせの多い項目や新しい用語についてAIが自動で追加せず、人が正しいと判断したもののみを追加する仕組みとしている。

 住所変更や病気・事故時の手続きといった、利用者が知りたいことをチャットで入力すると、関連する問いを一覧で表示し、そこから手続きページに導くことができる。さらに、解決しない問いには、有人チャットや電話オペレーターにつなげるハイブリッド型のシステムの構築にも対応する。

 金融機関は、既存の業務システムやウェブフォーマットを活用して、素早くチャットでの申請手続きサービスを立ち上げることができる。これにより、デジタルチャネル対応の促進と顧客接点の強化を支援する。

 また、金融機関の営業店舗などでは、手続き内容を案内するタッチパネルシステムの導入が進んでいるが、こうしたタッチパネルと個人のスマートフォンを連携させることができ、利用者は他人に見られたくない個人情報などをスマートフォンで続きを入力できる。同様に、パソコンでやり取りしたチャット内容を個人のスマートフォンと連携できるため、スマートフォンで続きをやり取りしたり、内容を確認したりすることができる。

 富士通では今後、本人確認が必要な口座開設業務など、適用手続き範囲の拡大を検討していくとともに、金融以外の業界においても、顧客接点強化に向けたソリューションとの連携を実現していくとしている。

 Finplex ScrumOneの販売価格は個別見積もり。富士通では、2022年度末までに20システムの販売を目標とする。