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富士通、AIを活用しコンタクトセンターのチャット運用を支援する「CHORDSHIP」ソリューション

川崎フロンターレなどで採用が決定

 富士通株式会社は8日、企業と顧客の接点を高度化するソリューションを「Customer Engagement Solution」として新たに体系化すると発表した。今回は第1弾として、コンタクトセンター向けの「FUJITSU Business Application CHORDSHIP(コードシップ)powered by Zinrai」(以下、CHORDSHIP)を販売開始する。提供開始は12月の予定。

 CHORDSHIPは、富士通のAI技術「Human Centric AI Zinrai」(以下、Zinrai)を活用したSaaS型チャットボット「FUJITSU Business Application CHORDSHIP Digital Agent」(以下、Digital Agent)や、関連サービスを提供するもの。

 Digital Agentは、WebサイトやLINE、Skype、Facebookなどと連携できるインターフェイスを備え、コンタクトセンターにチャットで寄せられる問い合わせに対して、企業内に蓄積された問い合わせ対応のナレッジやFAQから関連する情報を抽出し、的確に回答するという。

 このチャットボットにはZinraiが組み込まれており、言葉の揺らぎや類義語などを認識して、問い合わせの内容を高い精度で絞り込める点が特徴。企業が保有している既存のデータのみで高い正答率を実現できるため、ディープラーニング型のチャットボットとは異なり、事前に膨大な教師データを学習させるといった煩雑な作業は必要ない。また運用開始後は、顧客への応対結果を機械学習し、精度を向上させる機能も備えている。

 あわせて、AI適用に向けた提案や導入後に期待される効果の検証など、チャットボットの導入に向けたコンサルティングを提供するほか、導入・構築、コンタクトセンターの稼働支援、運用まで、トータルに支援できるとした。

 Digital Agentが利用者の意図する回答ができなかった場合には、オペレーターにエスカレーションして有人チャットによる継続対応を実現する「有人チャット運用サービス」も提供。専門スキルを持ったオペレーターがチャットによる継続対応を行うとともに、その中で得られた新たなナレッジの精査や蓄積を実施することで、Digital Agent運用開始後の回答精度の維持・向上を実現するとしている。

 価格は、Digital Agentが月額28万円(税別)から。コンサルティングサービス、有人チャット運用サービスなどの支援サービスなどは個別見積もりとなる。

 なお、家事代行マッチングサービスを行う株式会社タスカジ、株式会社川崎フロンターレで、新たなコミュニケーションチャネルとしての採用が決まっており、11月上旬より順次運用を開始する予定。大手信販会社の株式会社オリエントコーポレーションでも実証実験がすでに完了し、本格導入に向けた検討を進めているとのことだ。

 富士通ではこのサービスについて、2020年度末までに350億円の売上を見込んでいる。