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国内ネットワーク仮想化/自動化市場は今後も堅調に成長、NFV市場は5G向け投資の本格化がけん引

IDC Japan市場予測

 IDC Japan株式会社は13日、SDNをはじめとする国内ネットワーク仮想化/自動化市場と、国内NFV(Network Functions Virtualization)市場に関する予測を発表した。

 それによると、データセンター向け、企業ネットワーク向けを合計した国内ネットワーク仮想化/自動化市場市場の2019年の市場規模は572億円。2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR)は8.2%で推移すると予測されている。

 なお、技術の適用場所を見ると、データセンターネットワークの仮想化/自動化市場は、安定した成長市場に変貌を遂げたとのことで、2010年代前半にはネットワークにイノベーションをもたらす技術として注目されたが、現在ではデータセンターネットワーク構築に有効な手段のひとつとして広く認知されているとのこと。

 成長率を見ても、前年の20.9%からやや減ったものの、2019年も16.3%と2けたの成長を継続。今後もデータセンタープラットフォームおよびデータセンターネットワークの構築、運用における有用な手法としての役割を担いながら、新規・既存ユーザー双方からの需要によって、2019年~2024年のCAGRが9.5%と、高い成長を続けることが予測されている。

 また企業ネットワークにおける仮想化/自動化市場は、2018年に、より現実的な課題解決と、将来のネットワークの自動運転を見据えた仮想化/自動化を実現する市場へとかじを切ったとのこと。2019年は市場の転換点を乗り越えて安定した成長軌道に乗りつつあり、成長率は前年からは低下したものの8.7%と堅調な伸びを見せている。IDC Japanでは、今後も2019年と同水準の成長を続け、2019年~2024年のCAGRは7.1%と予測した。

 一方で、通信事業者ネットワークにおけるネットワーク機能の仮想化市場である国内NFV市場は、2018年までは停滞していたものの、2019年は前年比169.5%増の659億円と、急速に成長した。IDC Japanではひとつの要因として、5Gのアーキテクチャを先取りした楽天モバイルのコアおよびRAN(Radio Access Network)への投資を挙げている。

 なお今後は、楽天モバイルを含めた国内MNOによる5G向け投資が本格化し、5G CoreおよびvRAN(virtual Radio Access Network)の展開によって、国内NFV市場はさらなる伸びを示すと予測。2019年~2024年のCAGRは16.0%と高い成長率を持続し、2024年の市場規模は1384億円に達すると予測されている。