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2019年度の国内RDBMS市場は前年度比11.6%増、今後はSaaS市場が急成長の見込み~ITR調査

 株式会社アイ・ティ・アール(以下、ITR)は9日、国内のRDBMS市場規模推移および予測を発表した。国内RDBMS市場の2018年度の売上金額は1200億円、前年度比16.2%増と高い伸びとなった。

 2018年度については、マイクロソフトとAmazon Web Services(AWS)の高成長が市場を牽引するとともに、Windows Server 2008のサポート切れに伴うPCサーバーの出荷台数の増加、DBMSの買い替え需要の拡大が背景にあると分析。2019年度については、やや伸び率が下がるものの、前年度比11.6%増と堅調な伸びを見込んでいる。

 国内RDBMS市場をパッケージとSaaSの提供形態別に分類すると、SaaS市場の2018年度の売上金額は120億円と、パッケージ市場に比べて市場規模はまだ小さいが、ここ数年急速な成長率を維持していると分析。2019年度以降もSaaS市場は高成長を維持し、パッケージ市場の年間平均成長率(2018~2023年度)が5.3%であるのに対し、SaaS市場の同期間の年間平均成長率は43.5%、2023年度の売上金額は730億円に達すると予想している。

 ITRリサーチ・フェローの平井明夫市は、「SaaS市場の高成長は、IT市場全般に見られるクラウドシフトの流れに沿っているだけではなく、主要なクラウドベンダーが相次いで国内にデータセンターを開設したことで、重要なデータを含むデータベースを海外移転することなく、国内で運用することが可能になったこともひとつの要因であると考えています」とコメントしている。

RDBMS市場規模推移および予測:提供形態別(2017~2023年度予測)(出典:ITR)