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ヤマハのネットボランチVoIPルータ「NVR700W」がDPIに対応 LTEでもインターネットブレークアウトを実現可能に

 ヤマハ株式会社は26日、LTEアクセスVoIPルータ「NVR700W」を、アプリケーション制御機能である「DPI(Deep Packet Inspection)」に対応させると発表した。別途ライセンスが必要な有償のオプション機能となる。なお、対応ファームウェアは3月に公開する予定。

 今回提供されるDPI機能は、通信トラフィックをアプリケーションごとに識別するとともに、識別したアプリケーションごとにルーティング、QoS、フィルタリング処理などを可能にする機能。

 企業のネットワーク環境においては、Office 365をはじめとするクラウドサービス利用の普及とともに、通信トラフィック量が急激に増大しており、本社(中央のデータセンター)を経由してインターネットへ接続する従来のアクセス手法では限界を迎えつつあると言われている。

 これを解決する手段として、拠点から直接クラウドサービスへ接続させるインターネットブレークアウトが注目を集めており、その手段としてDPIを採用するケースも増えてきた。

インターネットブレークアウト

 ヤマハでもこうしたニーズに応えるため、2019年9月よりVPNルータ「RTX830」向けにDPI機能を提供しているが、インターネット固定回線の提供エリア外においても効率的にクラウドサービスを利用したいというニーズに応える目的で、無線WAN機能を標準搭載するNVR700W向けのDPI機能を提供開始するとのこと。

 このNVR700WはVoIPゲートウェイ機能を持ち、小型ONUやSIMを直接収容可能になっているため、設置スペースを省くともに、省電力を実現可能。DPI機能を追加することにより、さまざまなインターフェイスを通過するトラフィックをアプリケーションごとに識別し、識別結果をルータのWeb GUI上のダッシュボードでグラフィカルに表示できるとしている。

 識別可能アプリケーション数は約3000、最大アプリケーション制御スループットは300Mbps。

「DPI」を利用したトラフィック確認画面
NVR700W

 DPIライセンス「YSL-DPI」の価格(税別)は、1年ライセンスが2万3500円、5年ライセンスが7万500円。RTX830向けと同価格になっている。なおヤマハでは、同ライセンスについて、各機種向け合算で年間2万台の販売を見込んでいる。