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ヤマハ、ルータ向けのアプリケーション制御ライセンス「YSL-DPI」を9月より販売開始

まずはRTX830用から提供

 ヤマハ株式会社は6日、ルータ製品のオプションとして、最適な通信経路の選択を実現するアプリケーション制御ライセンス「YSL-DPI」を9月より販売開始すると発表した。まずは「RTX830」より提供を開始し、今後、対象の拡大を検討するとしている。

 YSL-DPIは、DPI(ディープパケットインスペクション)技術を用いて、通信トラフィックをアプリケーションごとに識別し、識別したアプリケーションごとにルーティング、QoS、フィルタリング処理などを可能にするライセンス。

 アプリケーション制御の設定は、ルータのWeb GUIのかんたん設定から主要アプリケーション群を選択し、破棄や経路選択をクリックするだけで実行可能。詳細な設定をコマンド(CLI)から設定することもできる。

Web GUIによる設定画面

 またWeb GUIのダッシュボードにて、識別したトラフィックの可視化も行え、ルータを通過する各アプリケーションの通信量をグラフによって分かりやすく表示できる。具体的には、すべての通信量や、通信量の多いアプリケーション、通信量の多い端末などを表示可能とした。

通信トラフィックの見える化を実現

 日々変化するアプリケーションを識別するために必要なシグネチャは定期的に自動ダウンロード/更新される。

 リリース時点での識別可能アプリケーション数は約3000、アプリケーション制御時の最大スループットは370Mbps、アプリケーション制御と連携可能な機能は、ダッシュボード、統計情報、フィルター型ルーティング、QoS、IPフィルターを予定している。

 なお、近年、企業におけるクラウド利用が拡大するに連れ、拠点から本社やセンター拠点への通信量が増大しており、クラウド利用のトラフィックについては、センター拠点を通さず、拠点から直接クラウドへアクセスさせる「インターネットブレイクアウト」の手法が注目されるようになった。

 ヤマハでは、今回提供されるYSL-DPIを利用すると、Office 365などのクラウドサービスをルータが識別できるため、このインターネットブレイクアウトを簡単に実現可能になるとアピールしている。

 価格(税別)は、RTX830向けの1年ライセンスが2万3500円、5年ライセンスが7万500円。この機能の利用にあたっては、RTX830のファームウェアを、9月下旬ごろにリリース予定の最新版へアップグレードする必要がある。