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ヤマハ、小型ONUや無線WAN通信に対応したネットボランチVoIPルータ「NVR700W」「NVR510」
LANマップ機能による「LANの見える化」にも対応
(2016/5/25 13:40)
ヤマハ株式会社は25日、VoIP機能を備えた中小規模ネットワーク・SOHO向けルータ「ネットボランチシリーズ」の最新モデルとして、「NVR510」「NVR700W」を発表した。それぞれ9月、7月の販売開始を予定し、価格は4万9800円(税別)、11万8000円(税別)。
新製品はいずれも、スループットが最大2Gbps、NATセッション数が6万5534に強化されるなど、基本性能を向上させつつ、対応環境温度の上限も40℃から45℃へ向上。ネットボランチ電話番号を利用したインターネット電話機能や、機器単体でも実現可能な内線VoIPの利用など、従来機種「NVR500」から継承した各種VoIP機能を搭載するほか、NTT東西の「ひかり電話」、楽天コミュニケーションズのVoIPサービスをはじめとする外部サービスにも対応する。
ただし、ネットボランチシリーズの特徴の1つでもあったISDN関連の機能は省略された。これは、2020年以降に予定されているISDNのサービス終了とマイグレーションを見据えたもの。本体のONUポートに小型ONUを装着することで、据置型ONUやVoIPアダプタを別途設置することなく、ISDN回線から光回線への移行に際して光回線を直接収容可能なため、省スペース化や省電力化を実現するとした。
さらにNVR700Wは、4バンド対応の無線WAN機能(下り最大150Mbps、上り最大50Mbps)を内蔵しており、安定かつ高速な無線WAN通信が可能だ。現時点では、NTTドコモおよびMVNO事業者のSIMカードに対応している。またNVR700W、NVR510ともに、USB接続型データ通信端末を装着した無線WAN接続に対応可能だ。
こうした無線WAN通信機能は、有線回線の代わりに無線WAN環境を検討しているユーザーや、有線回線未提供エリア、さらには仮設店舗など短期間の通信環境を必要とするユーザーにも最適とのこと。無線WAN回線を主回線として利用するのはもちろん、有線回線からの自動バックアップ機能も備えているため、バックアップ回線としての利用にも対応する。
なお新製品ではISDN関連の機能が省略されているため、既存機種のNVR500も併売される。
GUIについては、ベストセラーのVPNルータ「RTX1210」でさまざまな点が改善された最新のGUIを採用し、NVR700Wに実装された無線WAN機能や、ネットボランチシリーズの特徴となる電話機能なども、GUIから設定・管理を行える。また、ダッシュボード機能のガジェットには、新たにプロバイダ接続履歴と通信履歴が追加されたほか、RTX1210の特徴だった「LANマップ」機能も搭載し、自社スイッチ「SWXシリーズ」や無線LANアクセスポイント「WLXシリーズ」などと連携した、「LANの見える化」が可能になった。
また今回もっとも注目されるのは、NVR700Wが、IPsec VPN機能(最大スループット700Mbps、6対地)、OSPFやBGPといったダイナミックルーティングプロトコルなど、これまでRTXシリーズのみに搭載されていたエンタープライズ機能を備えた点だ。これは、従来はRTXシリーズの下位機種としてのイメージだったネットボランチシリーズが、音声系機能の充実したルータとして、RTXシリーズと並列に位置付けられたことを意味する。今回の機能強化によって、より多様な拠点ネットワーク環境に1台で対応できるようになり、ユーザーにとっての利便性も向上するだろう。
インターフェイスは、LAN側が4ポートスイッチ、WAN側が1ポートで、いずれも1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tに対応。WANポートと排他のONUポートを1ポート備える。またTELポートも2ポート搭載している。