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NECとシスコ、安全保障領域や重要産業インフラ向けにネットワーク機器の真正性を確認するプロセスを強化

 日本電気株式会社(以下、NEC)とシスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は17日、安全保障領域や重要産業インフラ向けに使用されるネットワーク機器に対して、両社が持つ不正検知技術とNECのブロックチェーン技術を組み合わせることで、製品出荷前・構築時・運用中の真正性を確認するプロセスを強化すると発表した。

 NECとシスコでは、安全保障領域や重要産業インフラのサプライチェーンを狙った攻撃などにより、多大な経済的・社会的な損失が生ずる可能性が懸念されていると説明。また、マルチベンダー環境でのネットワーク機器のセキュリティ対策や、機器の設計段階から製造・輸送・保守などを含むサプライチェーン全体のリスク管理も重要な課題と考えられているとしている。

 両社ではこうした状況に対応し、安全安心に情報通信機器を利用できるネットワークシステム基盤の提供を目指し、ネットワーク機器などがメーカーが設計、製造した状態から意図せず改変されていないことを確認する真正性確認のプロセスを強化する。

 取り組みの第一段階として行うシスコ機器の真正性確認は、シスコ独自のTrustworthy技術と、NECが開発した軽量改ざん検知技術およびブロックチェーン技術を組み合わせることで実現する。

 Trustworthy技術は、機器固有のIDやデジタル署名など複数の技術要素によってハードウェアとソフトウェアの両面から機器の真正性を確認するもので、既に多くのシスコのネットワーク機器に実装されている。軽量改ざん検知技術は、組み込みソフトウェアによりプログラム改ざんを検知するもので、数キロバイトの実行コードによって高速検知を実現できるため、メモリ容量が少ない機器や遅延時間制約の厳しい機器に適している。

 これらの技術により検査された履歴情報をブロックチェーンに記録することで、ネットワーク管理者はシスコ機器の真正性を、出荷検査・ネットワーク構築時に確認・監視・管理できる。

 今後は、NEC機器においても、軽量改ざん検知技術を実装し、製品の真正性を高めていく予定。また、将来的にはこうした取り組みを運用中・増設時・バージョンアップ時・保守時などを含むライフサイクル全般に拡大する予定で、これにより機器の真正性がライフサイクルのどの時点で確保されていたかを確認できるだけでなく、万一インシデントが発生した際には、タイムリーな検知、影響範囲の特定や対策の迅速な立案が可能になるとしている。

 NECとシスコでは、今回の取り組みに対応したネットワーク機器を2020年度より順次提供を開始する。

 また、今後は安全保障領域や重要産業インフラ向けネットワーク機器をエンドツーエンドで監視・管理できるように、適用機器のパートナリングを拡大し、サプライチェーン情報などの管理にも拡張していく予定。一例としては、今後拡大が見込まれるローカル5Gの初期構築時から今回の技術を適用することにより、ローカル5G全般の真正性を確認・監視・管理することを検討しているという。