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NTTドコモとSAPジャパン、中堅・中小建設業向けにクラウドERPを共同開発へ 2020年度下期の提供目指す

 株式会社NTTドコモとSAPジャパン株式会社は14日、中堅・中小建設企業向けのクラウド統合基幹業務システム「ランドログERP(仮称)」の共同検討を開始すると発表した。両社では2020年度下期の提供を目指して連携を強化するほか、試験導入企業、連携パートナーも募集開始する。

 現在、中堅・中小規模の建設企業では、作業の効率化や生産性向上、働き方改革を目的に、工事書類の一元管理や工事原価の管理など、経営管理のICT化を図っているものの、おのおのの仕組みが独立して存在するため、リアルタイムにはつながっていない状況だという。

 そこで両社では、現在は独立して存在している工事原価管理・財務会計・販売管理・購買管理・顧客管理などの経営管理情報をクラウド上で一元管理することにより、さらなる生産性向上を推進するための取り組みを行うとした。

 また、両社が出資する株式会社ランドログの建設業界向けIoTプラットフォーム「LANDLOG」のIoTデータと連携することにより、工事の進捗状況をプロジェクト管理システムや会計システムへリアルタイムに反映し、月中での予算進捗状況をリアルタイムに確認できる機能も提供する考え。

 加えて、建設業界特有の会計機能を中堅・中小企業向けERPパッケージ「SAP Business One」をベースに追加開発して搭載するほか、コストの面でも、中堅・中小規模の企業でも導入しやすい価格での提供を目指すとしている。

 なお今回の検討開始にあたり、このシステムを試験導入し、導入効果の定量的な測定に協力する試験導入企業と、金融・保険・人事・労務システムなど、統合・連携するシステムの拡大をともに目指して行く連携パートナーの募集を、「ランドログパートナー制度」を通じて開始する。試験導入による効果検証としては、福島県会津若松市の「SAPイノベーションフィールド福島」を活用し、地元建設企業による実証実験も検討しているとのことだ。

 すでに第1弾の連携パートナーとして、東京海上日動火災保険株式会社と連携することが決まっており、このシステムから収集されたERPデータを利用して、損害保険引き受けに関するサービスの高度化や保険金支払い業務の効率化、人事・労務システムとの連携などに、ついて検討を開始する予定。