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アクセンチュア、クラウド環境で基幹システムが構築できるソリューションを発表

 アクセンチュア株式会社は11日、パブリッククラウド環境で基幹業務システムの構築や運用ができる「アクセンチュア クラウドネイティブ コアソリューション」(通称:MAINRI)を発表した。同日より提供開始する。

MAINRIについて

 MAINRIには、基幹業務システムのマイクロサービスを設計する機能や、APIによる外部サービスとの連携機能、顧客行動データ分析などのプラットフォームを構築する機能などが備わっており、「あらゆる業界のデジタルトランスフォーメーションを支えるソリューションだ」と、アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービスグループ日本統括 マネジング・ディレクターの山根圭輔氏は述べている。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービスグループ日本統括 マネジング・ディレクター 山根圭輔氏

 また山根氏は、「これからの基幹系システムは、さまざまなチャネルやAPIとつながり、アジャイルに変化する必要がある。また、すべてのデータを収集して分析し、顧客を中心に据えてその瞬間をとらえパーソナライズできなくてはならない」と語る。こうした要件を満たすシステムを検討した際、既存の基幹系システムに手を入れたり既存パッケージをクラウド化したりしただけでは実現できないと判断し、MAINRIの開発に着手したという。

 同ソリューションは、ふくおかフィナンシャルグループが2021年春ごろに創業する予定の「みんなの銀行」の勘定系システムに導入することが決まっている。ソリューションの導入に伴い、アクセンチュアは組織の再構築やデジタル人材の育成も支援する。

 アクセンチュアでは、MAINRIが新たな銀行基幹系システムとして正しく稼働するかどうかもすでに検証済みだ。検証では、480万口座分の顧客データと明細データを秒間2000件以上参照し更新するといったミックストランザクションの負荷をかけ、全口座に対する利息計算バッチを並行して実行した。

性能検証ポイント

 その結果、「秒間2000件以上の負荷集中と利息計算バッチの並行実施において、200~300ミリ秒のレスポンスですべて応答した。この負荷の状態で、一部サービスを強制的に遮断したが、サービスエラーは発生せず自動的に復旧した」と、アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 ITソリューション マネジング・ディレクターの水上廣敏氏は説明する。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 ITソリューション マネジング・ディレクター 水上廣敏氏

【お詫びと訂正】

  • 初出時、水上氏の肩書きを誤っておりました。お詫びして訂正いたします。

 また、この負荷をかけた状態で、オンライン中にリリースするBlue Green Deploymentを実行したが、これもサービスエラーを発生させることなく正常に完了した。さらに、1億件を超えるデータウェアハウスのデータに対し、複雑なマーケティング分析クエリを実行したところ、約3~5秒で実行できたという。

データウェアハウスの検証ポイント

 今後アクセンチュアでは、システム連携ソリューションの「アクセンチュア コネクテッド テクノロジー ソリューション(ACTS)」や、統合AIサービスを提供する「AI HUBプラットフォーム」などのデジタルソリューション群と、MAINRIを連携させていく考えだ。また、金融機関のみならず、「基幹系システムのクラウド化を必要とするさまざまな業界にMAINRIを展開していく」(山根氏)としている。

アクセンチュアはMAINRIを次世代基幹系レイヤーと位置づけている