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IIJがDNSサーバーのアウトソーシングサービスを刷新、他事業者のDNSインフラを併用可能に

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は27日、DNSサーバーのアウトソーシングサービスを刷新し、「IIJ DNSプラットフォームサービス」として、12月9日より提供開始すると発表した。

 IIJ DNSプラットフォームサービスは、IIJがユーザー企業に代わってDNSサーバーを運用・管理するサービス。IIJのDNSサービスは、これまでもネットワーク帯域の増強や国内外にサーバーを分散配置するなど、可用性の向上を図ってきたとのことだが、今回、より高いレベルの可用性、耐障害性を実現する新サービスへ刷新した。

 新サービスでは、DNSSECを標準提供するほか、ゾーン転送のなりすましを防ぐTSIG機能、IIJのサービスを介して複数社のDNSインフラを利用できるマルチプロバイダ対応など、業界標準のセキュリティ機能をすべて実装するという。

 IIJがこうしたサービスを提供するのは、Webサイトを運営する企業は、複数社のDNSサービスを併用する方向に向かっているためだ。近年、DNSサーバーを狙ったサイバー攻撃が増加し、大規模なDDoS攻撃や脆弱性を狙った攻撃によりDNSサーバーが停止する事態がしばしば発生することなどから、こうした事態への備えとして、マルチプロバイダへの対応が求められているという。

 しかし、複数社のDNSサービスを併用することはユーザー企業にとって運用負荷が高いため、IIJのサービスを介して複数社のDNSインフラを利用できるよう、サービスを刷新したと、同社では説明している。

 また、クラウド型のID管理・認証管理サービス「IIJ IDサービス」を併用すると、Web管理画面へのアクセスにパスワード以外のさまざまな認証方式を追加可能。加えて、ユーザー単位でDNSサーバーの編集権限および参照権限を設定できるようにしており、ゾーン(ドメイン・サブドメイン)ごとに管理担当者を分けられる。

 サービスでは、DNSサーバー(プライマリ/セカンダリサーバー)の運用から、他社DNSインフラとの連携まで、ユーザー企業の運用ポリシーに沿って、自由度の高いシステム構成が可能。「ベーシック」と「プレミアム」の2つのプランを用意し、エントリーレベルから大規模サイトまで幅広く対応する。

 このうちベーシックプランは、DNSに求められる標準的なセキュリティ機能を安価な料金で提供するプランで、中小企業でも、運用コストを抑えながらDNSサーバーの可用性を高められるとした。価格(税別)は、初期費用が5000円、月額費用が2000円から。

 一方のプレミアムプランでは、ベーシックプランで提供する機能に加え、マルチプロバイダ対応により、大規模なDDoS攻撃に対する耐性を提供するとのこと。具体的には、IIJのDNSサーバーが持つゾーン情報を、他DNSプロバイダが運用するDNSサーバーに対して同期し、すべてのサーバーが応答できる状態にする。これにより、全世界100拠点を越えるDNSサーバーが利用可能になるという。価格(税別)は、初期費用が5000円、月額費用が12万円から。

 なお、既存サービスである「DNSアウトソースサービス」「DNSセカンダリサービス」は、移行期間後にIIJ DNSプラットフォームサービスに統合する。

サービスイメージ図