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エンバカデロ、新OS対応などを行った統合開発環境「RAD Studio 10.3.3」を提供開始

 エンバカデロ・テクノロジーズは25日、クロスプラットフォームネイティブアプリの開発を行える統合開発環境「RAD Studio/Delphi/C++Builder」の新版となる「RAD Studio 10.3.3」の提供を開始した。

 新版では、DelphiおよびC++開発によるiOS最新版への対応と、DelphiによるmacOS最新版への対応を実施。標準で用意するUIコンポーネントにおいて、iOS 13とmacOS Mojaveから搭載された「ダークモード対応」に対応した。また、Appleが提唱する最新のアプリ公証(notarization)にも対応している。

 新しいDelphi LLVMコンパイラにより、ARM系CPUのランタイムライブラリやメモリ管理などの機能をアップデートし、Android 64bitに対応。マルチプラットフォーム開発を可能にするGUIフレームワーク「FireMonkey」を利用して開発した32bitアプリは、ビルドターゲットを切り替えるだけで64bitにコンパイルできる。また、軽量でセキュアな組み込み用SQLデータベースのInterBase 2020/IBToGo 2020との連携により、データストレージを利用したアプリの高速な開発を可能にする。

 RAD Studio/Delphi/C++Builderの2つの上位エディション(Enterprise版、Architect版)には、共通データアクセス機能のFireDACを活用し、エンタープライズサービスへの接続を可能にする「Enterprise Connectors」を標準搭載した。Enterprise Connectorsは、各エンタープライズサービスのAPIを呼び出すコードを直接記述することなく、コンポーネントのドラッグ&ドロップ操作で、Salesforce.comやSAP、AWS、Office 365など80以上のエンタープライズデータを利用した迅速なアプリ開発を可能にする。

 また、RAD ServerのDockerイメージも提供。コンテナベースの仮想環境を提供するDocker上での中間サーバーとして利用できるRAD Serverの構築が可能になる。実行環境のDockerイメージがDocker Hubで提供され、バックエンドサーバーを用いた開発においても生産性の向上を可能にする。