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トレンドマイクロ、産業制御システム向けのセキュリティソリューションを拡充

 トレンドマイクロ株式会社は12日、産業制御システム(ICS:Industrial Control Systems)向けのセキュリティソリューションを拡充し、2020年1月14日から順次各国で受注を開始すると発表した。

 トレンドマイクロでは、新たに提供するセキュリティソリューションにより、産業制御機器の可視化およびネットワーク保護が可能になると説明。トレンドマイクロが従来から提供しているソリューションと、今回新たに拡充したソリューションを組み合わせることで、工場がインターネットに繋がることで多様化した攻撃の侵入口をレイヤーごとに保護できるようになり、スマートファクトリーの継続的な安定稼働を実現できるとしている。

 ソリューションをソリューションを拡充するにあたっては、トレンドマイクロと台湾Moxaの合弁会社「TXOne Networks」が開発した製品群を採用する。

 IT環境からOT環境への侵入阻止を実現する「予防」のソリューションとしては、従業員に対する標的型メールなどをきっかけにIT環境からOT環境へ侵入するサイバー攻撃に対して、脆弱性を悪用する攻撃を防ぐ侵入防止システム「TippingPoint Threat Protection System」を提供し、工場内へ脅威が侵入することを未然に防ぐ。

 また、フィールド機器の稼働情報をクラウドに送信する際に利用されるIoTゲートウェイとして、IoT機器向けセキュリティソリューション「Trend Micro IoT Secrutiy」を提供する。

 OT環境のネットワークにおける内部活動の監視を実現する「監視」のソリューションとしては、OT環境のネットワークにおけるサイバー攻撃の兆候を監視する「Deep Discovery Inspector」を提供し、産業制御機器への情報探索などの「内部活動」を可視化する。

 また、製造工程を管理するサーバーやファイルサーバに対して、USBメモリや持ち込みPCを接続することで侵入する脅威をサーバー上で検知する、総合サーバセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」を提供する。

 産業制御機器の保護を実現する「持続性の確保」ソリューションでは、産業制御機器の脆弱性を悪用した攻撃や許可していない通信など、ネットワークを経由した攻撃を防ぐ産業用IPS「EdgeIPS」および産業用ファイアウォール「EdgeFire」を新たに提供する。

 これらは、産業制御機器にインストールするソフトウェアではないため、動作要件や機器の仕様上セキュリティソフトをインストールすることが困難な産業制御機器も保護できる。製品の価格(税別)は、EdgeIPSが初年度15万4000円、次年度以降年額3万3000円。EdgeFireが初年度35万2000円、次年度以降年額6万6000円。

 EdgeIPSとEdgeFireでは、保護対象の産業制御機器の接続台数、各機器のデバイス名やメーカー名、IPアドレス、OSバージョン、使用プロトコルなどの情報を可視化でき、これらの情報を集中管理する「OT Defense Console」も新たに提供する。EdgeIPSやEdgeFireでブロックした不正な通信内容や通信元を可視化し、サイバー攻撃の発生原因や対処を検討できる。OT Defense Consoleの価格(税別)は、ハードウェアアプライアンス版が88万円から、ノードライセンスが年額1万1000円から。バーチャルアプライアンス版はノードライセンスのみで使用可能。

 Windows OSで構成された産業制御機器に対しては、USBメモリや持ち込みPCを経由して侵入する攻撃から保護するロックダウン型ウイルス対策ソフト「Trend Micro Safe Lock」の新バーション「Trend Micro Safe Lock TXOne Edition」を新たに提供する。Trend Micro Safe Lock TXOne Editionの価格(税別)は、購入数5000~9999ライセンス時で1ライセンスあたり新規が5000円から、保守更新が年額1000円から。

 また、WindowsやLinuxなどの汎用OSで構成された産業制御機器においてマルウェアが感染した際に、ソフトウェアをインストールすることなく、USBメモリ内のセキュリティソフトを用いてマルウェアを駆除する「Trend Micro Portable Security」の新バージョンも提供する。Trend Micro Portable Security 3の価格(税別)は、ライト版が3万2800円、スタンダード版が3万9800円。