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萩原テクノソリューションズとトレンドマイクロ、IT/OTの統合サイバーセキュリティ提供で協業

 萩原テクノソリューションズ株式会社とトレンドマイクロ株式会社は20日、戦略的なパートナーシップを強化し、IT/OTの融合が進む製造業界におけるサイバーセキュリティリスクの低減に向けて両社で連携すると発表した。

 萩原テクノソリューションズは、OT領域で40年以上の実績から得た知見を持ち、OT領域の課題解決に向けた最適なITソリューション提案に強みを持っている。特に、顧客が保有する多くのデータを軸に、データレイク基盤とデータ利活用を提供している中、データ保護という観点でセキュリティソリューションを強化してきた。

 トレンドマイクロは、サイバーセキュリティ領域において、エンドポイント・ネットワーク・メール・クラウドやOT環境を統合し、保護する製品・ソリューションに強みを持っている。

 両社は、それぞれの強みを組み合わせることで、IT/OTの融合が進む製造業界におけるサイバーセキュリティリスクの低減に向けた、最適なソリューションを全国展開すると説明。萩原テクノソリューションズでは、10月1日付けで専任チームを新設し、同戦略を介して今後1年間で10億円の売り上げ目標を掲げている。

 萩原テクノソリューションズとトレンドマイクロは、これまでも製造業向けに工場内脅威可視化ソリューション「In-Line Security Monitor」の共同開発やその販売などを通じて、IT/OTの境界線を越えたサイバーセキュリティへの取り組みを推進してきた。

 工場システムはシステム自体の専門性も高く、インターネットに接続されていない閉域環境で長い間運用されてきた。一方で、生産プロセスの最適化や生産性向上への取り組みが進み、IoT活用が広がることで、OT環境におけるサイバーセキュリティへの対応が必要不可欠になっている。法人組織内に既存するIT環境と、新たにインターネットにつながり始めているOT環境を効果的にサイバー攻撃から保護するには、IT/OTの境界線を越え統合したアプローチが重要になっているという。

 トレンドマイクロの調査では、ITとOT間での統合すべきセキュリティ機能として、63%が「サイバーイベントの検出」と回答。また、IT/OTの領域にまたがるセキュリティ運用拡大における課題としては、約54%が「ITスタッフのためのOTサイバーセキュリティのトレーニング」を挙げ、「ITサイバーセキュリティに関するOTスタッフのトレーニング」を挙げる声も38.1%にのぼり、両領域にわたる知見やスキルがそれぞれにおいて不足しているとしている。

 これらの課題を解決し、IT/OT環境を保護するために、最適なサイバーセキュリティソリューションおよびサービスの提供を両社で推進していくと説明。具体的には、診断・構築・運用を包括するソリューション・サービスの一貫した提供により、顧客独自の環境・課題に沿った最適なソリューションの企画から構築、導入・運用までを支援するとしている。

両社のパートナーシップにより目指すIT/OT環境における支援イメージ

 萩原テクノソリューションズは、OT領域で得た大規模実績および知見とトレンドマイクロの脅威インテリジェンスを用いて、ソリューション専任チームによるITとOT環境のセキュリティアセスメントを実施する。リスクの可視化とその結果に基づいたセキュリティ計画を策定することで、最適なソリューションの企画を支援する。

 また、IT環境に加え、OT環境を含めた広範囲にわたるサイバー攻撃をより迅速に把握し、適切な対応を実現するために、トレンドマイクロが提供するEdgeFire、EdgeIPS、Deep DiscoveryなどのOT向け製品に加えて、統合サイバーセキュリティプラットフォーム「Trend Vision One」の導入を推進する。Trend Vision OneのXDR(Extended Detection and Response)機能を活用し、IT環境のEPP/EDRや工場環境のOT専用ネットワークセキュリティをセンサーとして、おのおののレイヤ―で検知した脅威や侵入の痕跡の相関分析を自動化することで、IT/OTの領域におけるサイバー攻撃の全体像と対処が必要な対象を可視化し、より迅速にサイバー攻撃に対応する。

 SOCサービスベンダーとの連携による運用支援も提供。サイバー攻撃の兆候をとらえて対応するためには、専門的なスキルや24時間365日体制での対応が必要となることから、実績のあるSOCサービスベンダーと連携し、Trend Vision Oneを基盤としたITとOTの統合セキュリティ運用を支援する。

 萩原テクノソリューションズでは、IT領域において、データの価値や利益を最大化し、顧客のイノベーションや競争力を向上させるべく、そのリスクや損失を最小化させるセキュリティ事業の強化に取り組んでいると説明。これまで、東海エリアを中心にビジネス展開をしてきたが、今回のパートナーシップ強化を機に、各地に根付いたSIerとの連携をさらに強化し、今後対象エリアを全国に広げていくとしている。