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キヤノンITS、クラウド型AI OCR ソリューション「CaptureBrain」を提供開始
帳票をOCR処理しやすくする画像処理技術で精度を向上
2019年5月28日 10:00
キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は28日、クラウド型AI OCRソリューション「CaptureBrain」の提供を開始した。
CaptureBrainは、インターネット経由でアップロードした手書き帳票類のスキャンデータに対して、帳票種別の認識、画像補正、記載内容のデジタル化までを行い、その結果を編集可能な電子データとしてダウンロードが可能なクラウドソリューション。認識結果の確認と修正ができる画面および他システム連携に必要となるAPIを備え、顧客の要望に沿った個別開発と組み合わせたソリューションとして提供する。
手書き文字の読み取りについては、株式会社Cogent Labsの手書き文字認識AIエンジン「Tegaki」を活用。これまで難しかった手書き文字のOCRの実用性を高めた。さらに、スキャンデータに対して、AI技術を取り入れたキヤノンITS独自の画像処理技術により、コントラス補正やノイズ除去、斜行補正、歪み補正などを施し、OCRに適した状態に補正することで、OCR認識精度を向上する。
AI技術を活用した帳票種別の自動仕分け機能も備え、入力された帳票はAIにより自動仕分けされる。また、登録された画像から多数の学習データを作成する手法を用いることで、ユーザーがあらかじめ登録する帳票は1種類あたり1枚でよく、複雑な帳票判定ロジックを帳票別に設定する必要がない。
OCR結果の確認用ユーザーインターフェイスについては、OCR結果の信頼度が低い箇所をハイライト表示するなど、確認・修正作業をスムーズに進められるよう考慮したユーザーインターフェイスを標準提供する。
システムは、顧客ごとにクラウド環境を用意する形で提供。すでに構築されている帳票処理のシステムなどの連携を、個別開発により柔軟に対応する。OCR結果の確認用ユーザーインターフェイスなどについても、カスタマイズに対応する。
CaptureBrainの提供価格(税別)は、初期設定費が100万円から、個別開発費が200万円から。年間利用料は、帳票上で読み取る項目数など、対象帳票・ボリュームによる従量課金。年間利用料の例としては、メーカーの保守申込書・年間5万枚の場合で年額100万円、食品流通の注文書・年間30万枚の場合で年額900万円、金融の口座申込書・年間70万枚の場合で年額4000万円など。
キヤノンITSでは、業務プロセス効率化の範囲を拡大させるとともに、自然言語処理技術などを活用した機能拡張などサービスの充実を図り、CaptureBrainを中核としたOCRソリューションビジネス領域において、2022年までに売上高10億円を目指す。