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NTT Com、eSIMを活用したグローバル対応のIoTモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile」を提供

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は9日、IoT分野におけるグローバルなデータの収集、蓄積、分析などの仕組みを包括的に提供する「IoT Connectソリューション」の一環として、eSIMによる遠隔からのプロファイル書き換えに対応するモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile」を4月15日に提供開始すると発表した。

 IoT Connect Mobileは、複数のモバイルキャリアと接続することにより、日本を含む世界196カ国・地域におけるモバイル通信の利用を可能とするIoT向けのサービス。

 SIMの情報を書き換えることが可能なeSIMの技術を用いて、SIMの通信プロファイルの設定内容を遠隔から管理でき、これにより運用中のIoT機器のプロファイルをより低廉な価格のモバイルキャリアに切り替えることや、法制度上ローミングが規制されている国においてローミングではなく現地モバイルキャリアの利用を行うといった、柔軟な対応が可能。また、eSIMを組み込んだIoT機器を工場から出荷する際、あらかじめ利用する国に合わせた設定を行う必要がないといったメリットもある。

 さらに、NTT Comのグループ会社であるTransatelが有するアジア、北米、欧州の3つのゲートウェイを活用し、利用者から最も近い設備を経由することで、遅延を抑えた高品質な通信を実現する。

「IoT Connect Mobile」サービス提供イメージ

 サービスのSIMは、取り外し可能な「Plug-inタイプ」に加え、振動耐性・衝撃耐性に優れた組み込み用の「Chipタイプ」の2種類から選択可能。また、両タイプともに、温度耐性や書き込み耐性を強化したインダストリアルグレードも選択できる。

 サービスのウェブポータルを利用することで、ダッシュボードから契約されているSIMすべての利用状況などを視覚的に把握可能。SIMの追加発注や、回線単位で利用の休止・再開などができるほか、顧客自身による詳細なカスタマイズが可能で、SIMごとの通信容量や速度などを直感的なインターフェイスによって簡単に設定できる。これらの機能はAPIでも提供するため、顧客が利用するシステムとの連携にも対応する。

 また、顧客の用途に応じて、SIM上にJavaアプレットを実装することが可能。例えば、セキュリティ品質を重視する利用ケースにおいては、SIMカードの高い耐タンパ性を生かし、アプレット領域に暗号鍵を格納することで通信データのセキュリティレベルを高めたり、IoT機器の改ざん検知機能を付加したりするといった活用ができる。

 サービスの料金(税別)は、初期費用はプラットフォーム設定費用が3000円、開通事務手数料がSIM 1枚あたり400円、SIM配送費用が配送ごとに3000円。月額費用は、サービス基本料金が1000円、通信プロファイル利用料金(SIM基本料金)がプロファイルごとに200円。データ通信料金は1MBあたり1円からの従量課金で、国/地域ごとに異なる。

 NTT Comでは、さらなるMVNOやIoTサービスの強化に向け、日本国内における「フルMVNO」サービスの開発を2020年を目指して進めており、これによりIoT向けのみならず、一般向けの格安SIM「OCN モバイル ONE」、企業向けVPNサービス「Arcstar Universal Oneモバイル」などの既存サービスにおいても、より柔軟なサービスの設計や提供が可能になる予定としている。