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カブドットコム証券、貸株業務で義務付けられた帳票のやり取りをクラウド化

ウイングアークの帳票クラウド「SVF Cloud」で

 ウイングアーク1st株式会社(以下、ウイングアーク)は2日、カブドットコム証券株式会社が、貸株業務において義務付けられた帳票をクラウド化するために、ウイングアークの帳票クラウドサービス「SVF Cloud」を採用したと発表した。

 パブリッククラウドの積極活用を進めるカブドットコムでは、さまざまなシステムのAWS移行を図るなど、クラウド化を積極的に推し進めてきた。そうした中で今回は、貸株業務で義務付けられている、機関投資家などとの法的な取引書類のやり取りにSVF Cloudを適用しているという。

 発行する帳票は、取引先1社あたり毎月千数百件に及ぶ場合もあったとのことで、これまでは郵送で行っていた帳票のやり取りを、クラウドから必要なデータをダウンロードできるようにすることにより、取引先とカブドットコム証券双方の業務効率化を目指している。

 SVF Cloudを採用したのは、オンプレミスで長年にわたりウイングアークの帳票ソリューション「SVF」を活用してきた実績があったため。カブドットコム証券ではSVFを高く評価していたが、既存の基盤はすでに負荷が高く、貸株業務の関連帳票を新たに取り扱う余裕がなかったことから、クラウド版であるSVF Cloudに注目したという。

 カブドットコム証券では、2018年4月より運用を開始したSVF Cloudにより、運用性や管理性を改善でき、トラブルがない安定したサービスを提供しているとのこと。費用面では、仮にオンプレミスに構築した場合と比較して、初期費用が1/10に削減できたほか、オンプレミスで運用中のシステムを今後クラウド移行することにより、監視項目が5分の1に削減されるので、運用負荷の軽減も見込んでいる。

 なお金融業では、帳票の作成ややり取りを伴う業務プロセスが非常に多いだけに、カブドットコム証券では、コンプライアンス要件を満たすかどうかを見極めながら、SVF Cloudの適用業務の幅を広げていく考え。

 また、契約や発注書など個別に紙に印刷したあとファイリングし、さらにそれらをまとめて倉庫に預けに行くなど、煩雑な作業に追われている社員の業務改善をクラウド活用によって効率化・自動化することで、働き方改革に寄与していく計画だ。