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トレンドマイクロとLuxoft、自動車およびモビリティサービス向けセキュリティで協業

自動車向けの不正侵入検知/防御ソリューションを共同開発

 トレンドマイクロ株式会社は2日、グローバルITコンサルティング・エンジニアリング企業のLuxoft Holding(以下、Luxoft)とコネクテッドカーのセキュリティで戦略的パートナーシップを締結したと発表した。協業により両社は、コネクテッドカーを狙うサイバー攻撃に対し、被害を軽減、対処を行う不正侵入検知/防御(IDS/IPS)ソリューションの開発・販売を行う。

 トレンドマイクロでは、現在、コネクテッドカー市場は急速に成長しており、2025年までに商用化されたコネクテッドカーの数は11億台に達すると予想されていると説明。コネクテッドカーとモビリティサービスは、多くの新たな利益をもたらす一方で、システムの脆弱性に対するサイバー攻撃など新たなセキュリティリスクが発生することも懸念されるとしている。

 Luxoftの協業では、機械学習によって通信の異常を検知する機能を搭載した、自動車向けの不正侵入検知/防御を行うソリューションを提供する。機械学習は、車載技術による高度な検出メカニズムによって収集されたデータを用い、膨大な脅威や脆弱性に関する情報を持つトレンドマイクロのグローバルスレットインテリジェンスにより、自動車製造事業者に深い洞察を提供。侵入検知技術は、データ分析・検知エンジンを採用し、車載システムへの不正侵入に対して新たなレベルの保護を行う。

 自動車向け侵入検知/防御技術の主な特徴としては、安全なV2X(Vehicle-to-Everything)通信の確保や、無線通信によるアップデートや資産管理機能を含むクラウドサービスとモビリティサービスの保護、ECUやアクチュエータ、センサーといった自動車の構成要素の安全な運用の確立、継続的な脅威研究活動と予防的な制御メカニズムによる、高いレベルのサイバーセキュリティの提供などを挙げている。

 トレンドマイクロ取締役副社長の大三川彰彦氏は、「あらゆるコネクテッドデバイスは、企画・設計段階からセキュリティが考慮される必要があります。両社が開発・提供するソリューションによって、自動車製造事業者は、サイバー上の脅威をブロックするために必要な対策を製品に組み込むことができます。Luxoftが持つ自動車分野の技術力と深い知見、そしてトレンドマイクロのサイバーセキュリティに関する専門知識を組み合わせることで、車載システムのデジタル化によってもたらされる新たな課題に取り組むことができます」と述べている。