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日本マイクロソフト、電子タグとIoTデータを活用した実証実験に参画

 日本マイクロソフト株式会社は15日、経済産業省が進める「電子タグを用いた情報共有システム実験」に参画し、電子タグの情報管理を行うデータプール基盤を支えるプラットフォームを提供すると発表した。実験は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業(国内消費財サプライチェーンの効率化)」の一環として、2月12日~2月28日に実施される。

 実証実験では、製(メーカー)・配(中間流通、卸)・販(小売り)に加えて、生活者まで含めた包括的なサプライチェーンにおける、プラットフォーム化された電子タグの有用性について、複数の事業者、ITベンダーおよび業界団体と共同で検証する。

 サプライチェーンにおける事業者間連携に関する実験としては、メーカーまたは物流センターにおいて実験対象商品に電子タグを貼付し、流通過程で入出荷される際に電子タグの読み取りを行い、当該データを実験用にクラウド上に構築した情報共有システムに蓄積することで、在庫情報の可視化を行う。さらに、モニター家庭においても電子タグの読み取りを実施してもらい、電子タグの家庭内での活用方法や新サー ビスについても検討を行う。

 店舗と生活者との連携についての実験としては、実験に協力するコンビニエンスストアおよびドラッグストアにおいて、電子タグを用いた検証を行う。「ダイナミック プライシング」の取り組みでは、棚に設置されたリーダーが自動的に電子タグを読み取ることで、消費・賞味期限が迫っている商品を特定し、当該商品を購入すると現金値引きまたはポイント還元を行う旨を実験参加者へ通知を行うことで、食品ロスの削減を促す。「広告最適化」の取り組みでは、来店者が手に取った商品の電子タグを読み取り、商品棚に設置されたサイネージから当該商品の情報などを流す。

 また、電子タグを用いた家庭内サービスの体験として、家庭内サービスのアイデアを「東京ガス 横浜ショールーム」に おいて展示。 経済産業省本館1階ロビーにおいても、電子タグを読み取ることができる冷蔵庫の展示を実施する。

 日本マイクロソフトでは、社会インフラとしての電子タグプラットフォームには、今後より一層スケーラビリティと柔軟なインテグレーション特性、および高い管理性などが要求されると説明。今回の電子タグの情報共有システムおよびデータの分析・可視化を行うデータプールのクラウド基盤としては、Microsoft Azureが採用されている。また、日本マイクロソフトが代表幹事を務めるIT国際標準化団体“.NET流通システム協議会“が、電子タグの国際標準規格であるEPCIS仕様の当実験への適用を支援した。

 今後も、日本マイクロソフトは実証実験の参画企業と協力し、日本の流通業界の活性化に向けた経済産業省の取り組みを支援するとともに、クラウドなどのITプラットフォーム提案とIT標準化推進の両面の活動分野で、日本の流通業界のデジタルトランスフォーメーションに貢献するとしている。