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サイバートラスト、組み込みシステム向けソリューション「EMConnect」を提供

 サイバートラスト株式会社は9日、組み込みシステム向けソリューション「EMConnect」の提供を開始した。

 EMConnectは、組み込み向けのLinux OS「EMLinux」、Armの機能を使った組み込み向けセキュアOS「EMTee」、Linux OSとリアルタイムOS(RTOS)の共存を実現するソフトウェア「EMDuo」、ウェブブラウザーベースの組み込み用GUIフレームワーク「EMBrowser(イーエム・ブラウザ)」から構成されるソフトウェア製品群の総称。

 EMLinuxは、サイバートラストが組み込みLinuxの受託開発で培ってきた技術と、社会インフラ向けに産業グレードのオープンソースソフトウェア基盤を提供する協業プロジェクト「CIP(Civil Infrastructure Platform)」の成果物をベースとして、最長15年間の長期保守が可能な組み込み向けLinuxディストリビューションとして提供する。

 EMTeeは、Armアーキテクチャを採用した機器のセキュリティを向上させる技術「Arm TrustZone」を利用することで、証明書の管理や暗号化などの秘匿性の高い処理を不正なプログラムから隔離する。

 EMDuoは、軽量かつシンプルな実装で組み込みシステムでシェアの高いRTOSと、高機能かつOSSの資産が豊富なLinux OSを一つのSoC上に共存させ、 RTOSでリアルタイム処理をしながら、Linux OSでネットワーク接続やグラフィック処理などを可能にする。

 EMBrowserは、直感的に操作しやすい、IoT・組み込み機器のタッチパネルGUI/HMIを簡単に開発できる画像描画プラットフォーム。オープンソースのGeckoエンジンを採用し、よりリッチなインターフェイス開発のニーズを低コストで実現する。

 サイバートラストでは、Linuxディストリビュータとしての実績と豊富な経験と、OSSコミュニティとの連携により、カスタマイズした組み込みLinuxをはじめとしたEMConnectの各製品のサポートを、長期間に渡って提供する体制を擁していると説明。組み込み機器を提供するメーカーは、EM Connectを導入することで、市場におけるライフサイクルの長い組み込み機器およびIoT機器の開発・製造をセキュアに実現できるとしている。

 EMLinuxの提供開始予定は2019年3月。ベータ版の先行提供となり、バグフィクスなど各種修正や調整を行った正式版は2019年10月に提供予定。その他のソフトウェアの提供開始予定は、EMTeeが2018年11月、EMDuoが2019年2月、EMBrowserが2019年中。製品は組み込みソリューションとして、コンサルティングおよびサポートを含めての提供となり、価格は個別見積もり。

 サイバートラストでは、11月14日~16日にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2018/組み込み総合技術展」で、EMConnectの展示と講演を行う。