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ISID、エンタープライズアプリケーション開発基盤「aiuola」を発表

第一弾として経費精算システムと自動仕訳システムを提供

 株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は30日、エンタープライズシステム(全社規模で稼働する会計、経営管理、人事などの基幹系システム)領域における次世代開発基盤「aiuola(アイウォーラ)」の構築を完了し、各種アプリケーション開発への適用を開始したと発表した。

 ISIDでは、aiuolaはデジタルビジネス時代の環境変化に呼応する柔軟性と俊敏性の実現、グローバルなグループ経営に求められる高度な業務要件への対応、社員の働きやすさと生産性を向上させるユーザー体験(UI/UX)の創出を開発コンセプトとし、従来のエンタープライズシステム開発手法とは一線を画す、新しい設計思想でつくられたアプリケーション開発基盤だとしている。

 aiuolaの構築には、モックアップやプロトタイピングを多用するアジャイル開発手法を採用し、変化するビジネス要求やテクノロジートレンドを取り入れて進化し続ける開発環境を実現。マニュアル不要の直感的な操作性や過去履歴に基づく入力サジェスト、さまざまな通知/リマインダーなど、すべてのアプリケーションに共通して求められるUI/UXをあらかじめコンポーネント化して実装した。

 また、さまざまなオープンソースを採用するとともに、ビジネスチャットやスケジューラなどのメジャーサービスや既存システムとのAPI連携を想定して設計し、つながりやすさを実現した。

 多岐にわたる業務に共通するデータ構造(階層や親子関係など)や付加機能(有効期間管理や公開範囲設定など)を、UI、アプリ構造、データモデルなどの観点でパターン化して実装。マルチカンパニー対応や多言語・複数タイムゾーン対応、企業グループ内の統合的認証・認可管理、企業ごとの固有要件に対応するロジックカスタマイズなど、アプリケーション共通の業務要件に対応する機能をあらかじめコンポーネント化して実装することで、個別アプリケーションの開発生産性を高めつつ、グローバルなグループ経営に求められる複雑で高度な業務要件への対応を可能にするとしている。

経費精算システム「Ci*X Expense」と自動仕訳システム「Ci*X Journalizer」を提供

 aiuolaを用いたアプリケーションの第一弾としては、経費精算システム「Ci*X Expense(サイクロス エクスペンス)」および自動仕訳システム「Ci*X Journalizer(サイクロス ジャーナライザ)」の提供を開始した。

 Ci*X Expenseは、パッケージ標準で日本企業の複雑な経理規程(日当計算・各種手当計算)に対応可能。企業グループ内でのマスター共有機能や、会社をまたぐ承認フロー(シェアードサービスに対応)、規程と関連申請書の整合性を自動チェックし、過去履歴からの入力サジェストなど入力サポート機能を備える。ライセンス価格(税別)は、最小構成(利用者300人まで)が480万円、利用者1001~2000人が1160万円。

 Ci*X Journalizerは、ノンプログラミングでフォーマット変換・コード変換・仕訳化ができ、会計システムとの連携を設定だけで実現する。マスター連携や周辺システムへのデータ出力など、汎用的なデータ入出力が可能で、複数会計基準、複数帳簿に対応した仕訳生成に対応。仕訳の元データと作成した仕訳の関係を保持することにより、仕訳のトレーサビリティを確保し、独自のインメモリ処理により高速な仕訳処理を実現する。製品は、Ci*X Expenseのライセンス価格に応じて100万円~300万円(税別)のオプション提供となる。

 ISIDでは、aiuolaのコンセプトを広く顧客企業に発信していくとともに、会計・経営管理・人事などの基幹系システムおよびその周辺領域において、新たに開発するアプリケーションに順次適用していく計画としている。