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NEC、AIを活用して倉庫内作業における要員マネジメントを最適化する「物流リソースマネジメントサービス」

 日本電気株式会社(以下、NEC)は6日、NECのAI技術群「NEC the WISE」を活用し、倉庫内作業における要員マネジメントを最適化する「物流リソースマネジメントサービス」を、2019年1月に提供開始すると発表した。

 サービスでは、AIを活用した荷物量の予測により要員計画を高度化。人手では困難であった複雑な予測についても、多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動で発見して高精度な結果を得られる解析技術「異種混合学習技術」を活用。従来、ベテラン管理者が経験と勘をもとに行っていた荷物量の予測を、過去の出荷・入荷実績や気象情報などの外部データをもとに高精度に予測する。

 これにより、管理者の要員リソースの算定における負担軽減や属人性の排除、また、過剰な要員の有効活用や要員不足による残業の抑制が期待できる。

 また、業務内容/時間/場所/商品特性などをもとに、要員の適性に合った業務をマッチングする機能を、2019年度上期に提供を予定。管理者が過去の作業実績から要員の資質と与えられた業務に対する成果などの情報を入力し、これらをディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習する「RAPID機械学習技術」に組み込み分析することで、要員の適性に合った業務をマッチングし、最適なアサインを実現する。

 これにより、業務定着率向上に加え、要員募集や教育にかかるコストの削減、作業品質悪化の防止が期待できる。

 さらに、倉庫内の負荷状況分析により動的な要員配置を実現する機能も提供。生物(アメーバ)の環境適応メカ二ズムをヒントに、複雑な環境や状況の変化に合わせて、システムを自律的に動作・制御する「自律適応制御技術」を活用し、現場の負荷状況をリアルタイムに把握、残作業と直近の生産性に応じた要員配置を自動でレコメンドする。

 これにより、作業待ちを抑制し、管理者不在時でも負荷状況に合わせた動的な要員配置を実現するとともに、全体最適によるチームワークの最大化も期待できるとしている。

 2018年7月には、日通NECロジスティクス株式会社において、サービスを活用した実証を実施。実証では、要員の計画やアサイン、現場での要員再配置までをトータルで最適化し、特定のエリア・期間において約10%の生産性向上効果が確認できたという。

 NECではサービスを、9月11日~14日に東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2018」に出展する。