ニュース

日通とNECが協業強化、DXによる価値共創により短期・中長期双方の取り組みを実施へ

 日本通運株式会社(以下、日通)と日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、DX(デジタルトランスフォーメーション)による価値共創に向けた業務提携契約を締結したと発表した。締結は6月17日付け。

 両社は2013年に、グローバルな物流サービス事業の強化に向けた業務提携契約を締結し、日通NECロジスティクス社を運営するなど、物流の高度化・効率化に取り組んできたが、今後もさらなる物流の高度化が求められる社会の要求に応えるため、2020年10月から価値共創に向けた探索プロジェクトを開始し、今回、新たな業務提携契約を締結した。という。

 この提携では、まず短期的な取り組みとして、IoTを活用した倉庫オペレーションの効率化・省力化・無人化を実施する。具体的には、IoTを用いて倉庫現場の人や物の動きなどを高速かつ適切にデータ化し、AIによりタイムリーに分析することで、作業員のノウハウや暗黙知をデジタル化することで、倉庫のパフォーマンスを最大化し、労働力不足の解決に寄与するという。あわせて、作業員が安全・安心に働ける環境を実現しますとした。

 また将来的には、輸配送現場も含めた物流現場全体での事故ゼロや人員配置最適化にもつなげていく考え。産業軸では、重点領域である電機・電子から開始し、半導体、自動車のサプライチェーンへの展開も検討するとしている。

 一方、中長期的な取り組みでは、距離を超えて人が人を支える社会づくりの可能性を探索するとのことで、働き手が減少している産業、労働環境の悪い場所、危険な地域、地球の裏側など、これまで人力による作業の提供が困難であった場所で、AIや遠隔操作ロボットなどを用いて作業を提供することを想定している。

 まずは日通の倉庫作業の遠隔操作から実証を開始し、ロボット操作人材の育成や動作プログラムの構築などを通じて知見を蓄積する考え。加えて、物流プロセスにおけるCO2排出量の可視化と削減にも取り組みとのことだ。