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日立、VMwareとの協業成果として社会インフラ向け高信頼プラットフォームソリューションを販売開始

VMware vSphereに独自の高信頼化機能・長期サポートを追加

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、米VMwareとの協業成果として、金融や公共、交通をはじめとする社会インフラ分野向けに、オープンシステム環境での基幹システムの安定稼働を支援する高信頼プラットフォームソリューションを9月5日から販売開始すると発表した。

 高信頼プラットフォームソリューションでは、VMwareの仮想化ソフトウェア「VMware vSphere(以下、vSphere)」を、日立独自の機能で高信頼化し、日立のサーバー「RV3000」と組み合わせて提供する。

RV3000

 オープンシステム環境において高信頼化を実現する機能としては、重要な業務を担う仮想マシンへのPCIカードの占有割り当てを可能とする「VMware vSphere® DirectPath I/O」の認証を取得した。これにより、PCIカードに障害が発生した場合、当該PCIカードを切り離す日立独自の機能により、予備PCIカードへ切替えることが可能となり、システムダウンを回避する高信頼なシステムを実現。I/O仮想化に伴うオーバーヘッドを低減し、オープンシステム環境においてミッションクリティカルなシステムに求められるシステム安定化を実現する。

 サポート面では、VMwareとの間でvSphere特別サポート体制を構築。問題発生時の原因究明と対策において、VMwareから特別に技術的な支援を受けられることに加え、VMwareに日立のエンジニアが常駐して対応し、ハイレベルなテクニカルサポートの提供を可能とする。

 また、両社の協業体制により、vSphereの標準ライフサイクルを超える最長10年にわたる長期サポートを実現。標準ライフサイクル終了後でも顧客の業務に影響するレベルの重要不具合に対しては、VMwareと連携して対策版を提供することが可能で、サポートは「日立サポート360」として提供する。

 サーバー機のRV3000は、最新のXeonプロセッサー・スケーラブルファミリーを最大4台、高速メモリを最大3TB搭載可能で、高い性能と高速処理が求められる大規模データベースやリアルタイム分析に対応。最長10年のハードウェア保守サービスを提供し、基幹システムの安定稼働を支える。

 さらに、システムの障害発生時には、共有ディスクの高速切替とともに、予備系システムへの高速切替が可能。vSphere仮想化環境においても、仮想マシン単位での高速切替をサポートすることで、システムのダウンタイム最小化を実現する。

 これらの機能やサービスにより、ミッションクリティカルな基幹システムにおいて、長期にわたる安定稼働を維持するとともに、他のオープン系システムとも容易に接続できるため、システム運用の効率化やIT投資の最適化が可能になると説明。また、他のオープン系システムとのデータ連携などが可能になることにより、デジタルビジネス拡大を支援するとしている。

 ソリューションの価格は個別見積もり。RV3000の価格は491万4000円(税別)から。

 日立では、ソリューションを国内の金融機関向けオープン勘定系ソリューション基盤や公共、交通をはじめとする社会インフラ分野の基幹システム向けに適用していき、今後は海外の展開も含め、基幹システムのさらなるオープン化・高信頼化を図るとしている。