中部電力とIIJ、ICTを活用した稲作支援の実証実験

　中部電力株式会社と株式会社インターネットイニシアティブ（以下、IIJ）は9日、静岡県磐田市・袋井市内において、ICTを活用した稲作支援に関する実証実験を共同で実施すると発表した。期間は、同日より2020年3月まで。

　多数の水田を保有する農家や農業経営体では、水管理作業や生育状況の把握など、労働負荷が大きな課題になっているという。そこで今回の実証実験では、水位を計測する水田センサー、遠隔制御に対応した給水弁など、水田に設置する各種機器の無線基地局（LoRaWAN）を電柱に設置。インターネット経由で水田の水位・水温の把握、給水弁の開閉制御を行える通信インフラを整備した。

　あわせて、Webカメラや気象センサーを電柱に設置し、水田のセンサーだけでは収集できない、より正確な水田の状況把握も可能にしているという。

　なお今回の実証実験では、電柱に設置した無線基地局、Webカメラ、気象センサーや水田に設置した機器の保守を中部電力が担当。機器ベンダーでなくても保守可能なことを確認するほか、Webカメラ、気象センサーに関する顧客ニーズの検証を行う。

　一方のIIJは、水位・水温など水田の状況の可視化、給水制御を実現する「ICT水管理システム」を開発し、システム導入前後における効果を検証する。

　両社では、実証実験を通じて課題の改善やノウハウを蓄積し、新たなサービスの開発につなげていく考えだ。