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事業者データセンターの新設は拡大傾向が続く、クラウドサービス提供拠点の大規模データセンター建設が相次ぐ~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は6日、2018年2月に実施した国内データセンター(DC)管理者調査の結果を発表した。事業者データセンターの新設は拡大傾向が続き、クラウドサービス提供拠点の大規模データセンター建設が相次ぐとしている。

 調査は、国内DC管理者301人にアンケートを行ったもので、主にデータセンターファシリティ(建物、電気設備、空調設備、機械設備など)への投資やその運用課題などについて質問している。回答者の内訳は、金融機関や製造業などの一般企業が所有する企業内DCの管理者が242人、ITサービス事業者や通信サービス事業者などが所有する事業者DCの管理者が59人。

 調査によると、事業者DCでは38%の管理者がデータセンターやサーバールームの新設予定があると回答したのに対し、企業内DCの管理者のうちデータセンターやサーバールームの新設予定があると回答したのは9%にとどまっている。

 IDC Japanでは、既存のIT資産を事業者DCやクラウド環境へマイグレーションする取り組みが加速しており、事業者DC新設の必要性が大きい傾向にあると分析。また、それにも増して、ソーシャルメディアやスマホアプリのようなネットを使った新たなサービスを提供するためのクラウド拠点の需要拡大が、データセンター建設投資を加速させる大きな要因となっているとしている。

 過去5年間(2014年~2018年)の調査結果を見ると、事業者DCの新設予定ありの比率は上昇と下降を繰り返しているが、2017年時点における新設予定の見通し(43%)から、今回調査時点(2018年時点)の新設予定見通し(38%)は大きな変化はないとしている。

 また、新設されるデータセンターでは、面積あたりの消費電力(電力密度)が上昇することが見込まれると説明。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明市は、「今後新設されるデータセンターでは消費電力と発熱量が増大することが予想される。新設データセンターにおける省電力性能と冷却能力が課題となる」と述べている。

データセンター新設予定ありと回答したDC管理者の比率、2014年~2018年(出展:IDC Japan)