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NTTデータ、AWSへの既存IT資産移行とクラウドネイティブ化の推進に向け、クラウドコンサルや人材育成を全社レベルで強化

 株式会社NTTデータは30日、4月に設置した「クラウド戦略室」において、顧客の既存IT資産のクラウド移行とアプリケーションのクラウドネイティブ化の推進を、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社(以下、AWSジャパン)と協力し、全社レベルで強化すると発表した。

 具体的な取り組みとしては、NTTデータ開発標準フレームワークと開発環境のAWS対応を4月から提供している。NTTデータでは、同社の開発標準フレームワーク「TERASOLUNA フレームワーク」をクラウド上で動作させるために機能を拡張し、AWSについては2016年度からアーキテクチャレビューや性能検証などを実施してきた。TERASOLUNAフレームワークがAWSに拡張することで、アプリケーション開発者は従来と変わらない方法でAWSに対応したアプリケーションを開発でき、顧客は既存のノウハウや資産を活用しながらクラウドネイティブなアプリケーションが開発可能になる。

 また、NTTデータのシステム開発環境を集約した開発クラウド「統合開発クラウド」からAWS上で提供される機能やサービスが安全に利用できるようになり、AWSを活用したシステム開発や検証を迅速に実施できるようになった。

 アプリケーションのクラウドへの移行やクラウドネイティブへの作り変え(Lift & Shift)への対応としては、NTTデータグループ内外で培ってきたクラウド活用の方法論を、既存IT資産を最適化していくコンサル技法の中に組み込み、NTTデータの全社標準として顧客のビジネス戦略に合わせて提供する。

 AWSジャパンとは、顧客の既存IT資産をAWSに対応していく際の条件を明確化し、既存の環境を生かしながらクラウドへの移行対象システムを整理する。これにより、顧客は既存環境とクラウドとをハイブリッドで戦略的に活用できるようになり、デジタル変革の実現が可能になるとしている。

 AWSクラウド人材の育成については、NTTデータではAWSジャパンのソリューションアーキテクトの支援の下、アプリケーションやITインフラをAWSに対応させる人材を育成。具体的には、AWSジャパンから専任ソリューションアーキテクトの派遣、実案件を通じた技術習得を得ることで、AWSクラウド人材の裾野を全社レベルに拡大し、AWS認定資格を取得する研修の実施とAWSプロフェッショナル人材の育成を目的とした全社横断的なAWS技術者コミュニティーを作っていく。すでに育成の取り組みは開始され、2018年度は100人のAWSプロフェッショナル人材の育成を計画する。

 NTTデータでは今後、これまで培ってきた通信、製造、流通サービスの分野でのAWSの導入実績を元にして、これらの取り組みによる成果を、現在、急速にクラウド化が進展している金融分野を始めとした各分野の重要システムに展開し、AWSに関するクラウドビジネスで2020年度までに売上300億円を目指す。