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東芝デジタルソリューションズ、設備保全に関わる現場作業をARでサポートする「Meister AR Suite」

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は17日、設備のオペレーションやメンテナンスなどの現場作業で課題となっている、業務効率化や熟練作業者の技術継承などをAR(拡張現実)で支援する、現場作業のデジタル化ソリューション「Meister AR Suite」の提供を開始した。

 東芝デジタルソリューションズでは、製造工場やエネルギー・社会インフラにおける設備のオペレーションやメンテナンスの現場では、熟練作業者の高齢化・減少により新たな人材の確保・育成が必要となっていると説明。こうした現場の作業内容や作業頻度はまちまちで、技術継承には時間を要する一方、経験が少ない作業者にとっては、施設内に点在する対象設備をなかなか見つけられない、点検方法・点検箇所を理解しにくいなどの課題もあるという。

 さらに、作業ミスに起因する問題発生を防ぐためには、点検箇所や判定基準などを作業者の記憶に頼るのではなく、マニュアルなどで都度確認しながら作業を行うことが求められるが、マニュアルが整備できていない、作業環境の変化にマニュアルの更新が追いつかないなどの状況もあり、業務効率化、技術継承をより難しいものにしているという。

 こうした課題に対応するため、東芝デジタルソリューションズでは、ものづくりIoTソリューション「Meisterシリーズ」の新たなラインアップとして、現場作業のデジタル化ソリューション「Meister AR Suite」の提供を開始した。

「Meister AR Suite」全体イメージ

 同ソリューションでは、作業用タブレットが対象設備を認識すると、「ARマニュアル」により作業箇所や手順がARで表示され、音声や動画でガイドされる。これにより、経験が少ない作業者でも正しい現場作業をスムーズに行うことが可能となり、紙のマニュアルを持ち歩く必要も無くなる。また、「ARナビゲーション」により、作業者を施設内の対象設備まで安全・確実に誘導することもできる。

 これらのARコンテンツは、ノンプログラミングで直感的なGUI「ARコンテンツジェネレータ」により、ARの専門知識がなくても、PC上で簡単に作成・編集できる。

「ARコンテンツジェネレータ」画面イメージ

 東芝デジタルソリューションズでは、Meister AR SuiteのコアとなるAR技術は、東芝グループのICTを支える東芝インフォメーションシステムズ株式会社が開発し、東芝グループの工場などでの実証実験を重ねることで、認識精度や使い勝手の向上を進めてきたと説明。このAR技術は、設備のオペレーションやメンテナンスだけでなく、設計・製造・営業・教育などさまざまな場面で利用できるとしている。