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デイトリウムのHCIでOracle RACが利用可能に システムの可用性を向上させるピアキャッシュモードも提供

 デイトリウムジャパン合同会社(デイトリウム)は24日、I/O高速化システム「Datrium DVX」で稼働するハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソフトウェアの新版「DVX 4.0」を発表した。Oracle RACをサポートしたことなどにより、仮想化基盤でのTier1アプリケーションの信頼性を大きく向上させたという。

 Datrium DVXは、サーバーノード「DVX Compute Node」と、データ保護機能を備えた10GbE接続のストレージノード「DVX Data Node」から構成される、仮想環境向けのコンバージドシステム。一次ストレージは、仮想マシンが稼働しているDVX Compute Nodeのローカルストレージ(SSD)を全面的に利用し、DVX Data Nodeにはデータ保護の役割のみを担わせる“分業”により、VMwareやKVMといった仮想環境を最大1800万IOPSまで高速化できる特徴を持つ。

 今回はその中核となるソフトウェア「DVX Software」をバージョンアップし、最大4ノードのvSphereクラスタおいてOracle RACをサポートした。Oracle RACはCPUのコア数に対してライセンスされるが、Datrium DVXは一般的なHCIより少ないCPUコア数での稼働が期待できるという。

 なおOracle RACは最小構成が2ノードだが、一般的なHCIの場合は最低3ノード構成が必要になるため、最小構成ではCPUのコア数が余分に必要になるとのこと。これに対してDatrium DVXであれば2ノードでの構成にも対応できるメリットがあるとしている。

 一方でOracle RACは、4ノード構成であれば3ノードに障害が発生しても稼働を継続できるが、一般的なHCIの場合、仮に4ノードのうち3ノードに障害が発生するとシステム全体が停止してしまうため、Oracle RACの可用性に追随することができない。

 Datrium DVXはこの課題も克服しており、4ノードのうち3ノードに障害が発生しても稼働を継続できることから、HCIであってもOracle RACによるパフォーマンスを最大限に活かした、信頼性の高い環境を構築できるとアピールしている。

 また今回は、SSD障害時の可用性を向上させるピアキャッシュモードをサポートした。DVX Compute Node内に搭載されているRAIDコントローラの障害などにより、特定のノード内ですべてのSSDが利用できなくなった場合であっても、別のノードに搭載されているSSDを暫定的に使用することで、仮想マシンを継続稼働させ続けることができる。

 さらに、ハイブリッドクラウドへの対応を促進させるプログラムも開始された。Datrium DVXのデータをAmazon Web Service(AWS)へバックアップするソフトウェア「Cloud DVX」を無償で試せる「Cloud DVX 無償トライアルプログラム」をスタートさせる。

 AWS(1TB)に遠隔地バックアップデータを保存する権利を1年間無償で利用できるが、Cloud DVXはグローバル重複排除機能を備えているので、実質6TB相当のデータ保護を無償で行えるとしている。

 なおこのプログラムは、9月末までに購入されたDatrium DVXシステムが対象となる。