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TISとあくしゅ、ネットワーク仮想化技術を用いた「インフラ運用テスト基盤」をベータ提供

 TIS株式会社と株式会社あくしゅは23日、ネットワーク仮想化技術を活用した「インフラ運用テスト基盤」のベータ版を共同開発したと発表した。ベータ版の利用者募集を行うという。

 大規模ネットワークの運用でシステムの構成・設定を変更する場合、事前に詳細な手順書を作成し、有識者がレビューした上で、その手順書を用いて作業を実施する、といった手順が一般的とされている。しかし、この方式は工数を要することに加え、人手を介するためミスを完全に防止することは難しく、迅速かつ安定した運用を実現するための妨げになっていたという。

 今回開発されたテスト基盤は、こうした課題解決に向けて提供されるもので、物理ネットワーク機器を含む大規模なネットワーク環境の複製を、仮想ネットワーク技術を用いて、ベアメタルクラウド上へ容易に構築できるようにしている。管理者は、こうして複製された環境上で実際にテストを行うことにより、システムへの変更内容を事前検証することが可能になる。

 また、ひんぱんに実施するテストについては、事前にテストパターンを用意することにより、テスト実施のための工数や人為的ミスの低減も図れるとのこと。両社では、このテスト基盤を活用し、運用の現場をDevOps化することで、迅速かつ安定したシステム運用を提供できるようになるとアピールしている。

 提供形態としては、スイッチ型1Uサーバーアプライアンス、およびソフトウェアの2形態を予定する。なお、構成変更、テストパターンの作成といった操作は利用者がコードを書くことで実現できるが、コーディングに不慣れな利用者でも操作可能になるように、GUIによる操作にも対応していく予定とした。

 TISとあくしゅでは、まずベータ版を展開して利用者のフィードバックを受けることで、「大規模ネットワーク環境における、インフラ環境の複製とテスト自動化」の実用化に向けたパッケージング、サービス化を目指す。

 ベータ版の展開に先行し、すでにヤマトシステム開発株式会社(YSD)に導入されており、同社は、この製品を用いて物理ネットワーク機器を含む大規模なネットワーク環境を複製して、検証環境を構築しているとのこと。

 YSDは、ネットワークの網羅的な接続確認を検証環境で自動的に実施し、環境変更の確認が取れた構成を本番環境に適用する、といった仕組みを運用に取り入れたことにより、変更リスクの低減とリリースサイクルの速度向上、品質の向上といったメリットを得られたとしている。