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朝日生命、「IBM Watson Explorer」を活用した給付金支払査定システムを構築

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は31日、朝日生命保険相互会社(以下、朝日生命)が、給付金支払のさらなる迅速化および業務効率化を目的に、「IBM Watson Explorer」を活用した新たな給付金支払査定システムを、1月より稼働したと発表した。

 システムでは、診断書などの書面から、診断書の記載内容から支払査定に必要な情報(傷病名、手術名、入院情報など)を抽出し、該当するコード情報を自動で導く。従来は、人が診断書の記載内容を読み取り、該当するコードを複数の候補の中から判断していたが、システムにより正確かつ即時のコード化を実現した。

システムを活用した給付金支払査定イメージ図

 自動コード化された事案は、システムが即時に査定の簡易な事案と高難度な事案に自動で振り分ける。従来は、事案の内容にかかわらずすべて人を介して支払査定を行っていたが、査定内容に応じた業務フローの構築が可能となった。

 査定の簡易な事案については、送金手配まで人を介さず自動で行う。対象事案は、支払査定部門に診断書などの情報が到着後、最短30分程度で支払査定と送金手配が完了する(従来の平均は2.4日)。

 高難度な事案については、従来通りに人が査定判断を行うが、システムの導入により査定者は高難度な事案の査定に専念できるようになった。高難度な事案の査定にあたっては、留意すべき事項をシステムがガイダンス表示し、人の査定判断をアシストする。

 また、診断書の記載内容から、追加で通院や入院・手術の給付金を請求できる可能性をシステムが判断し、顧客への請求手続きの案内につなげていく。

 朝日生命は、今後もシステムの精度向上を図り、査定から支払まで人を介さず自動で行う「自動査定・支払」の割合を増やしていくことで、支払いに要している日数の短縮を進め、さらなる顧客サービスの向上に努めていくとしている。