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ジャックス、IBMのAI技術などを用いた応答支援システムを開発 対応品質の向上や研修時間の削減などを実現へ

 株式会社ジャックスは6日、カスタマーセンターに日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)のAI技術を導入し、カスタマーセンター向けの「応答支援システム」を開発したと発表した。顧客からの問い合わせに対する回答候補をオペレーターの画面に自動表示するもので、3月より業務利用を開始している。

 従来、ジャックスのカスタマーセンターでは、商品などの回答マニュアルに加えて、都度発生するキャンペーン情報などを紙やデータベースで管理し、顧客からの多種・多様な問い合わせに対応していたという。

 これに対して、今回導入したシステムでは、多量のマニュアルなどをIBM Cloud上で一元管理したうえで、日本語解析エンジンおよび類似文書検索エンジンと連携し、オペレーターの迅速な応答を支援するとのこと。

 具体的には、オペレーターが顧客からの問い合わせを受電すると、その会話を自動的にテキストへ変換。IBMのコンテンツ分析プラットフォーム「IBM Watson Explorer」と、AIテクノロジー「Similarity Search(類似文書検索エンジン)」により、変換されたテキストの分析と、マニュアルや回覧の検索を実施して、オペレーターの画面に回答候補を自動表示している。

 こうして回答候補が即座に表示されることで、オペレーターの平均通話時間や保留時間の短縮を実現。あわせて、経験年数にかかわらず高い品質での顧客対応を行えるようになったとした。

 さらにこのシステムでは、回答候補が正しかったかどうかをシステムにフィードバックし、機械学習によって回答の精度を向上させていく仕組みも備えているとのこと。

 なお、これまでのやり方では、オペレーターは多くの商品ラインアップの情報を網羅する、複雑な紙マニュアルなどの理解が必要だったため、新人が顧客対応可能になるまでに、長期間の研修が必要だったという。

 しかし今回導入されたAI技術により、研修時間が3割程度短縮されると見込んでおり、応答時間の短縮とともに、研修担当者およびオペレーターの業務負荷軽減が図れるとしている。