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マクニカ、高速画像処理ソリューションの開発を手掛けるエクスビジョンと代理店契約を締結

 株式会社マクニカの社内カンパニーであるアルティマカンパニーは18日、高速画像処理ソリューションの開発を手掛ける株式会社エクスビジョンと代理店契約を締結し、同社が開発した高速画像処理ソリューションの実行環境「高速ビジョン開発プラットフォーム(以下、HSV SDK)」を2018年1月から販売すると発表した。

 HSV SDKは、毎秒1000フレームの高速撮像により高速に移動する対象物や現象を捉えることを可能にする、高速ビジョンの応用アプリケーションを開発するための標準プラットフォーム。画像情報から対象物を検出して、重心位置や面積、動きの方向などの情報処理を高速に行うことが可能で、処理結果は1フレーム単位で出力ができるため、従来よりもシステムへの高速なフィードバックを実現する。

 HSV SDKの高速ビジョンの認識・判別機能を生産ラインに適用することで、異常や故障の発生をリアルタイムに捉え、迅速にシステムへの停止指示をかけることなどが可能となる。また、産業用ロボットに、HSV SDKの高速性と追跡機能を活用することで、ロボットへのリアルタイムなフィードバックが可能となり、対象物の動きや状態に応じて、ロボットが自律的な動作や対応がとれるようになる。

 さらに、映像情報の高速フィードバックにより、カメラの振動を相殺して安定した映像取得が可能となるため、トンネル内側壁の高速検査や、高速回転体の状態確認など、従来不可能だった高速運動下での安定した状態観測も実現することが可能になる。

 従来のシステムでは、対象物の検出や追跡を行うためにはPCなどで画像処理を行う必要があったが、HSV SDKを導入することで、後段システムの小型化や、システム全体の省電力化が可能になるとともに、物理的な制約などに捉われない新たなシステムの構築に向けた可能性が広がるとしている。

 HSV SDKは、毎秒1000フレームの高速ビジョンセンサーとSoC FPGAを搭載した評価ボードと、開発用ソフトウェアパッケージで構成され、リアルタイム性を重視したCamera Unitアプリケーションと、汎用性を重視したホストアプリケーションを短期間で開発できる環境を提供する。HSV SDKは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果、開発された。

 マクニカでは、アルティマカンパニーが持つ広い顧客層と技術力を生かし、多くの顧客にソリューションを提供するとしている。