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NEC、スマートグラスを活用したARによるピッキング支援ソリューションを開発
2017年11月7日 12:13
日本電気株式会社(以下、NEC)は7日、スマートグラスとスマートウォッチを用いて作業者の腕を仮想キーボード化する「ARmKeypad」について、対象物から視線を外さないアイズフリーでの操作を実現する新たな機能により、製造・物流、その他の分野でのピッキング業務をAR(拡張現実)で支援するソリューションを開発したと発表した。
今回用いたARmKeypadは、腕に表示される選択画面をタッチ(振動)することで入力可能とするこれまでのARmKeypadに対し、スマートグラス上に表示される選択画面を腕の傾きと腕へのタッチにより入力可能にすることで、対象物から視線を外さないアイズフリーでの操作機能を追加した。これにより、視線移動により取り間違いなどが想定される現場や、作業のスピードが求められる現場での活用ができる。
ARmKeypadを用いたARによるピッキング支援ソリューションは、作業手順をスマートグラス上にARでガイド表示する。ピッキング業務では、棚に保管されている対象物の位置をARでガイドすることにより、経験が浅い作業者や作業内容の変更が頻繁にある現場でも、ミスなく効率的に作業を進めることが可能となる。
腕に取り付けたスマートウォッチの加速度センサを活用し、腕の傾きでスマートグラスに表示される選択画面から選び、腕へのタッチ操作による入力が可能。これにより、視線を対象物から外すことなく確認登録ができ、視覚による操作フィードバックのほか、体性感覚による操作フィードバックを活用できるため、感覚的な操作が可能となる。
現在、病院の薬剤部や工場の現場で製品を用いた実証実験を行っており、作業ミスの改善や作業時間の短縮などの効果が確認できているという。
病院の薬剤部での実証実験では、グラスカメラで処方箋バーコードを読み込み、薬剤ピッキングリストをグラスへ表示、薬剤棚をみるとどの棚からどこにある薬をピッキングすればいいのかをARでガイド表示する。実際に薬剤を取り出し、腕を傾け確認登録をすると、取り出した薬剤がピッキングリストから消去される。実証実験では、従来1日の業務300件に対し、約5件の発生が想定されるピッキング時の取り間違いを0件にできることが確認された。
また、製造現場については、NECネッツエスアイ株式会社のsDOC埼玉センターにおいて、ICT機器の修理業務における物品管理作業を効率化する実証実験を実施。修理見積時や修理作業の際、預かった機器を一時保管している棚から探す作業を、ARによるガイド表示により作業を支援するもので、実証実験では従来に比べて作業時間を18.2%削減できることが確認できたという。
NECでは今後、ARmKeypadを活用し、製造・物流以外にも警備、流通など、ハンズフリー、アイズフリーの作業が必要となる業種・業務の効率化に貢献するとしている。また、11月9日~10日に東京国際フォーラムで開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2017」で、製品の展示を行う。