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ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」

上位モデルと同一のOSを採用しながら導入しやさを重視

 ティントリジャパン合同会社(以下、ティントリ)は30日、仮想化専用ストレージのエントリーモデル「Tintri T1000」を発表した。従来より提供していたものよりも小型・低価格の製品で、「ティントリとしては新たなチャレンジ」(ティントリ 職務執行者社長の河野通明氏)になるという。

ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 Tintri T1000
Tintri T1000
ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 ティントリ 職務執行者社長の河野通明氏
ティントリ 職務執行者社長の河野通明氏

 ティントリでは創業以来、仮想マシン(VM)を認識するストレージ(VM aware storage)を継続して提供してきたが、9月20日には、従来のハイブリッドストレージ、オールフラッシュストレージの2ライン体制から、オールフラッシュの新シリーズ「Tintri EC6000シリーズ」1ラインへ、製品ラインを切り替えることを発表している。

 そのEC6000は、あくまでも既存のビジネスの延長線上で提供される製品であり、ターゲットとしている企業規模も、従来と同じか、あるいはそれよりも上を狙ったものだった。一方で今回発表された「T1000」は、従来とは逆により小規模を狙った戦略的な製品となる。EC6000は、サポートする仮想マシン(VM)数が500~7500、論理実効容量が19TB~645TBだったのに対して、T1000はサポートVM数が100、論理実効容量が10TBとなり、価格も参考価格で545万2500円(税別)と、EC6000の半分以下に抑えられた。

 ただし、EC6000と同様のオールフラッシュストレージになっているほか、「EC6000シリーズとまったく同じOSが適用されており、同じ機能をそのまま使える」(米Tintri EVP Engineeringのトニー・チャン氏)点が大きな特徴。ハードウェア構成やライセンスは小規模向けに簡素化され、導入にあたって迷いにくいように配慮されている。

 具体的には、EC6000シリーズでは柔軟に選択できたSSD構成は、T1000では固定(240GB×13本)され、容量拡張も非対応。NICも10Gigabit Ethernetのみとなる。ライセンス面では、データレプリケーション、暗号化と、管理ツール「Tintri Global Center(TGC)」のスタンダード機能は標準ライセンスで利用できるようにした。任意の時間のVM状態へ瞬時に復旧するSyncVM、AWSのクラウド環境へバックアップするTintri クラウドコネクター、TGCのAdvanced機能は、ライセンスを追加すれば利用できる。

ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 EC6000シリーズとの比較
ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 EC6000シリーズとの比較
EC6000シリーズとの比較
ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 米Tintri EVP Engineeringのトニー・チャン氏
米Tintri EVP Engineeringのトニー・チャン氏

 河野社長は、従来よりも安価なモデルを提供することについて、「当社のお客さまは北米を中心に、容量の多いもの、性能の高いものに対する要望が強かったが、近年はエントリーへのニーズが高まってきた」と説明するが、実は国内では、当初からエントリーモデルへの要望は強かったとのこと。

 製品発表会に列席したパートナーからは、「当初から小規模向けにもニーズが高かった」「仮想化向けストレージということで扱い始めた際からお客さまの関心は高かったが、もっと安い製品が欲しかった」との声が聞かれた。その分、新モデルへの期待は高く、小規模拠点やブランチオフィス、地方拠点での利用や、小規模なVDIでの利用、また検証・テスト環境での利用などが見込まれている。

ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 T1000のユースケース
ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 T1000のユースケース
T1000のユースケース
ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」

 「拠点に設置されているT1000も、センターからの一元管理に対応するので、設定にあたって現地にいちいち赴く必要はなくなる。また、暗号化とレプリケーションが標準ライセンスのため、本社と拠点、あるいは拠点同士でのデータ保護を追加コストなしで利用可能だ。導入も管理も簡単に行えるだけでなく、当社製品はもともと、筐体が増えても楽にTGCで統合管理できる特徴があるし、VDIではQoS機能で性能管理も行える。より多くの付加価値を、エントリー向けに提供できるだろう」(ティントリ SEマネージャーの鈴木宏征氏)。

ティントリ、エントリークラスの仮想化専用ストレージ「Tintri T1000」 パートナー各社との記念撮影
パートナー各社との記念撮影